[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 先日の仕事の失敗が、修造を焦らせていたのかもしれない。だからこそ、成功を第一に考えた。もちろん、そのための用心には考えを巡らせた。それこそ、彼でなければ思いつきもしないほど慎重に。
 事の段取りは全て彼女が行った。日と時刻は指定され、手段も彼女から提示され。
 修造は土俵に立つだけでよかったのだ。それがこんなに楽なものだとは思わなかった。
 ――身の回りの用心だけを考えればいい。
 その体制を受け入れたことが、修造の遅すぎる反省だった。
 例えるなら、車だ。車体の周囲の安全を確認し、車に乗り込んだ。シートベルトを着用し、アクセル・ブレーキテストを行ってから車を走らせた。キープレフトを守り、道行く人や対向車を常に意識し、スピードメーターを常に確認し――
 その結果の、……信号無視。
「ごほっ! ごほおっ!」
 麻耶に注がれる水が、修造の呼吸とプライドを同時に奪っていく。その水の冷たさは、彼女の微笑によく似ている気がした。
「案外、無用心なのね」
 麻耶の言葉が修造の胸を抉る。
 周りへの細かい気配りが、事の本質を見誤らせた。欠けていたのは――
「依頼者は協力してくれるとでも?」
 ――この女への警戒心。
 信号なんて目に入っていなかった。あんなにも赤く主張する光を見落とすなんて、思いつきもしなかったのだから。
 女は狡猾だ――、とは誰の台詞だったか。修造は己の愚かさを嘆きながら、
「ごお、げほおっ! っはぁっ!」
 自責の念とともに、再び水を吐き出した。
「……苦しい?」
 色めいた肌を彼に寄せながら、麻耶が問う。もちろん、彼に答えられるはずもない。その青ざめた表情をじっくりと観察し、楽しむように、
「無様ね」
 彼女は嘲笑を含んだ冷たい声を、室内に響かせた。

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