[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 いつの時代も、きっと同じなのだろう。
 あれは、確か十年ほど前のこと。
 当時の私にとっても、それはおそらく見慣れた光景だったはず。毎日、同じことを繰り返して、他人に迷惑をかけて、いったい何が面白いのか――
 そんな風に感じながら、私は自分のすべきことだけに専念していた。
 あの日が私の転機だった、などと大それたことを言うつもりはない。ただ、多かれ少なかれ、それが今の私を生んだきっかけであることは否めない。
 虫の居所が悪かったのだろうか、知らず知らずのうちにストレスが蓄積されていたのだろうか――
 例えその時の私に聞いてみたとしても、おそらく答えなど出ないと思う。もともと人間は、理屈だけで生きていけるほど合理的な存在ではないのだから。


「静かにして!」
 掃除の時間に騒ぐ男子に向けた言葉だった。私の発した大きな声を機に、教室内から音が消える。同時に、その場にいた男女全ての視線が、私へと注がれる。
 それらの瞳は、ひどく冷たく感じられた。だから、
「ちゃんと掃除しなさいよ!」
 押し潰されたくなくて、跳ね返したくて、私は怒声を重ねた。
 ――真面目だと言ってからかわれるだろうか……。喧嘩腰でつっかかってくるだろうか……
 そんな私の思いとは裏腹に、男子たちは口を噤んだ。見れば、彼らの手にしたほうきが、雑巾が、床や窓、机や棚に付着したほこりを集め始める。
「はぁ……メンドクセ」
 悪態をつきながら机を運ぶ岡田の声は小さい。わざとらしくため息をついている男子数人も、決して私と目を合わせようとはしない。空気は重くなったが、私の心は、あの澄んだ空に浮かぶ白い雲のように軽くなったのを覚えている。
 いつの間にか、彼らは私を避けるようになった。当然と言えば当然の結果だと思う。とは言え、私に悪態をついたり、陰口を言ったりする人間もまたいない。それも当たり前のこと。そんなこと、私が許していないのだから。ただ、押し黙ったままの雰囲気が、日を追うごとに彼らの心を圧迫していったのだろう。
「あっははは!」
 ちょうど今日のように、蒸し暑い夏の日だった。今まで我慢してきたものの全てを吐き出すように、
「うらあ! うっらああ!」
 岡田がほうきを振り回した。それを機に、それまでおとなしくしていた他の男子もひとり、ふたりと、彼に調子を合わせようとする雰囲気が見て取れた。
 だから――
 私は力任せに、
「うっ!……ぐえええっ!」
 暴れる彼のお腹に拳を叩きつけた。

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