[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 大きな荷物だった。
 都心にある、高級マンションの最上階。鍵の開くカタンという音が彼女の帰りを知らせていることを、剛は承知していた。
「おう。帰ったか、遥」
 そう声をかけ、ダブルベッドから腰を上げる。
 広い部屋だ。シンプルだが洒落た内装は、遥の趣味なのだろう。いつものように、剛はリビングからダイニングキッチンを抜け、玄関へと向かう。
 その時、剛の目が、俄かに大きく見開かれた。
 玄関には、OLスーツを纏った遥の姿があった。汗でわずかに透けた白いブラウスの上に、ひとつボタンの黒ジャケットを羽織っている。剛が来た頃には、先の尖ったグレーのリボンパンプスを脱ぎ始めているところだった。ストッキングを穿いていないため、黒い膝丈のスカートからは、彼女の艶やかな生脚が覗いていた。腰を折り、屈み、しゃがみ――その都度、スカートが捲れ、彼女の膝が、太腿が、下着が、ちらちらと顔を覗かせる。
 だが、そんな色香漂う彼女の姿や動作は、剛の目には一切、入っていない。ただ、
「……は?」
 とだけ口にするのが精一杯だった。それほどの存在感をもつモノが、そこには確かに存在していた。
「ただいま」
 という彼女の声すら耳に入らない。剛の混乱した表情に気づいたのか、遥は彼と同じ場所へと視線を移し、
「あ、これ、私の荷物」
 平然と言い放ち、脱いだ両方のヒールを片手ですいと持ち上げた。
 剛は困惑の表情を、顔いっぱいに湛えていた。
 無理もない。
 彼の視線を釘付けにしていたのは、全裸の人間、という荷物だったのだから――

 遥が手にしたヒールを翳したとき、
「失礼いたします」
 初めて、裸の荷物が喉を鳴らした。低くて太い声だ。ソレは床に貼り付くように頭を低く保ち、遥のヒールを両手で高く捧げ持つと、丁重に、靴箱の中へとそれを収めた。

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