[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
「そう」
 自分の口から出た淡白な言葉に驚く。
 私は心配しているはずなのだ。故意じゃなかったとは言え、弟に苦しい思いをさせてしまったことを申し訳なくも思っているはずなのだ。
 それなのに、私の行為が心を裏切る。ゾクリと背筋をなぞるような冷媒が、私の心より、身体のほうを肯定し、後押しする。
「いぎぃ!……あ、がああっ!」
 ハヤテの叫びは、疑問を含んでいるように思えた。無理もない。だって、こうして彼に声をあげさせている私自身が、疑問の渦に全身を包まれていたんだから。
 ついと爪先をハヤテの首へと移動し、強く押し潰してみる。
「んっ……、んぐ!」
 再び、叫びが呻き声へと変わる。ハヤテの奏でるメロディの変化が、さらに私を刺激する。次第に心地よさを増し、惹き込まれていくような感覚。
 ――もっと、声が聴きたい。
 足を首から放した瞬間、私はハヤテの髪を掴み上げていた。ぐいと引き上げると、綺麗な声音が響く。それから、ダラリと手を下げた彼の無防備なお腹を、
「ぐっ……く、はあっ!」
「そう、その声」
 恍惚のため息をつきながら、
「んぐうっ!」
「良いね。はぁ……」
「ぐえっ!……あ、うう」
 渾身の力を込めて、何度も殴った。
 こんな経験は、もちろん初めてだった。弟に手をあげている自分を恐ろしいと思えたなら、きっと、こんなことにはならなかったんだろうな……。でも――
「ふっ……んっぐううっ」
 今さらそれを嘆いたところで、結局は後の祭りでしかない。
 私は、何も考えてなかった。突き上げる情動に抗うこともできなければ、そうしようとも思わなかった。それが、私の語れる真実。
 ハヤテの口の端から零れてくる液体を指先でなぞり、自分の口元に寄せる。酸っぱい。それがひどく官能的で、私はソレを出すことに夢中になった。
 やがて、出てくる液体がドロドロとした物体に変わった。
 私の頬を伝う汗は、運動によるものだけではないと思えた。冷や汗や、緊張による汗。そういった類のものに、どことなく似てるような……
「はうっ!……ぐええええ……」
 彼の吐瀉物の香りは、窓から吹き込む風に乗って、私の鼻腔を優しく擽った。

Back | Novel index | Next
コメント
この記事へのコメント
>爪先をハヤテの首へと移動し、強く押し潰してみる。

 大切な弟であるハヤテを痛みつけていく姉の姿に、とても惹きつけられてしまいました。
 大切なものをなぜ痛みつけていくのだろう、と考えてしまいました。

 ブラックオニキスに掲載されている作品は殆ど読んでいますが、「メロディ」という言葉が一つの重要な単語だと思いました。

 痛みつけられる人間が発する「メロディ」―と、それを心地良く感じてしまう人間―。その景色が美しく思えます。


>メロディ

 僕もそういう声を発して、誰かを心地良くさせたいです。いえ、心地良く思って頂けるように努力をしたいと思ってしまいました。


 ハヤテ君はどうなってしまうのでしょうか…。続きを読んでみます。
2011/10/23(日) 23:59 | URL | 秋 #K8Rmk27c[ 編集]
いらっしゃいませ。
秋さん、初めまして。コメント、ありがとうございます。
おっしゃる通り、当サイトにおける「メロディ」は、私のこだわりです。ただ、発する声、という意味だけではありませんよ。
文章は奏でるもの。私にとっては、納得する演奏ができたかどうかが、そのまま自己評価になります。
この世界に「美」を感じていただけて光栄です。ぜひ続きもどうぞ。
>僕もそういう声を発して、誰かを心地良くさせたいです。いえ、心地良く思って頂けるように努力をしたいと思ってしまいました
その感性を嬉しく思いました。
心地よく思うその主体は、当然、雄側ではありませんよね(笑)
2011/10/24(月) 22:44 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。