[18禁] 逆リョナ小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
 気付くと俺は独房に入れられていた。
 ――俺は、どうなったんだ?
 体中が痛むが、傷の手当てがしてある。
 ――生きてるんだ。い、生きて……、はははははははは。
 腹の底から笑いがこみ上げてきた。声も出さずに、心の中で大声で笑った。
 ――俺は生きてる。生きてる! クソ刑事どもに、俺は勝ったんだ。はっ、ざまーみやがれ! あはははははは!! うっ……
 まだ体中の痛みはチクチクと俺を襲う。有刺鉄線の傷は一部治りかけていた。
 気絶してから数日は経っているらしい。だが今俺は、自白しなかった自分が誇らしくて仕方がなかった。
 ――絶対、ここから逃げ出してみせる。逃げ出してみせる!
 ぼんやりと独房の天井を眺めていた。証拠は絶対に不十分だ。確かに全てを隠しきることは不可能だった。だが、俺は自白をしなかった。刑事を二人も殺したが、それは身を守るために仕方なくしたこと。情状酌量の余地は十分にあるはずだ。
「くくくく」
 笑いが声となって漏れる。
 ――政府のクソ野郎ども。国家権力の奴隷ども。俺を裁くことは不可能なんだよ。あははははははは!!

 しばらくすると刑事が二人、独房の鍵を開けに来た。俺の両脇を抱え、またあの小部屋に連れて行く。
 ――ま、まさかまだ、続けるのか?
 あの女の拷問を思い出し、身震いをする。恐怖心が、再び芽を出す。
 ――だが俺は、絶対に言わない。絶対に……
 そんなことを考えている矢先、一人の刑事が口を開いた。
「まだ続くと思ってますか?」
 虚をつかれた。心の奥を見透かされたようで不快だった。
「いくら拷問されたって、俺は本当のことしか話せねえよ」
 俺の言葉に、刑事はやっぱりといった顔つきで俺に語りかけてきた。
「あなたの裁判は終わりましたよ。何日も気絶していたので略式裁判となりましたがね」
 刑事は淡々と俺に告げた。
 ――略式、裁判?
「あなたは、新法案発足後、初めての違反者となります。よって、正当拷問自白法拒否罪が適用されることになりました」
 ――こいつは何を言ってるんだ? どういう意味だ?
 何が何だかさっぱり分からない。俺は混乱し、戸惑いを隠すことができなかった。

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