[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
「加減ができないんです」
 朦朧とする頭で、俺は彼女の言葉を聞いていた。
 痛みが、苦しみが、我を忘れさせてしまうようだった。
 カッ――、とパンプスの音が傍らに迫る。蹲ったままでいる俺の背後から、
「すぐ、相手を殺してしまうんです」
 女の声が響き……
「ぐぅっ……ああ、っあああっ!!」
 硬い靴の感触が、背中を圧迫する。たまらず突っ伏した俺の背中が、脇腹が、腰が、太腿が、彼女の容赦ない蹴りの嵐に包まれる。重い……。俺の身体は、時に丸まり、時に伸び、地面を幾度も転がった。大の字で仰向けになった時、ようやく彼女の足が動きを止めた。夜桜が、立ち尽くす彼女を見事に彩っていた。
 この、ごく数秒の間に、一体いくつの骨が折れたのだろうか。ゴキッ――と鳴る、皮肉にも爽快な音。だが、そんな音とは裏腹に、
「でも、殺すと……、すごく気持ちいいんです……」
 少し息の切れた彼女の声色は憂いに満ち、
「気持ちよくて、やめられなくて……」
 嗚咽を携え、
「私……、やっぱりヒトじゃないんでしょうか?」
 やがて、悲痛の叫びへと変わった。
 痛い。苦しい。こんなにも死を意識したことはなかった。もう、指一本動かすこともままならない。意識があるのかないのか。そう考えられることが、唯一、自分に意識があることを証明してくれていた。それならせめて、この女に――
「はぁ? 何で、人じゃねえんだよ?」
 自分がどれほど馬鹿な勘違いをしているのか、思い知らせてやりたかった。
「私が……人殺しだから」
 彼女から反応があることで、ホッと安心する。自分の喉から言葉が出ているのかどうかすら、今の俺には自信がない。
「笑わせるな。そんなの、単なる個性だろ?」
 俺はそう言い放った。目を丸くする彼女の顔を見上げながら、
「やたら背の高い女」
 と、言葉を続ける。
「まるまる太った女、馬鹿みたいに食う女、家事一切ができない女、男以上に男らしい女、他人をいじめることが好きな女、動物の命を平気で奪う女」
 箍の外れた酔っぱらいのように、俺はぐるぐると舌を回した。
「そいつらは、人じゃないのか?」
「…………」
「躊躇いなく犯罪を犯す女。自分の子を虐待する女、殺しちまう女。そいつらだって、やっぱり人だろ? それが怖いことでもあるけどさ。正しいなんて言わない。でも、人かどうかは、それで決まるわけじゃない」
 女は呆気に取られた様子で、じっと俺を見下ろしていた。

Back | Novel index | Next
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。