[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 強い風が、二人を煽った。
 ゲームセンターの脇にある狭い路地。闇の迫ったこの時間帯にあっては、とても人目の及ぶはずもない一角だ。二人を挟み込むように聳え立った壁は、優に二メートルを超えている。その壁は所々が毀れ、全く風避けの役目を果たしていなかった。
 制服の上に薄手の白いトレンチコートを羽織っただけの花音と、厚手のダウンジャケットの下に重ね着をしている広志。
 特別、寒がりなわけではない。体調が悪いわけでもない。だが、震えていたのは広志のほうだった。それも、一人では立ってさえいられないほどに――
「はあ……は……」
 彼の喉から、ぎこちない音が零れる。汗が、頬を伝って流れ落ちる。
「暑いの? 寒いの? はっきりしなよ」
 嘲笑混じりに広志を見つめる花音の手には、カッターナイフが握られていた。あまつさえ、その刃は、彼の口内で煌めいていた。
「や……、や、やへて……」
 花音は、震えたまま立ち尽くす広志の両足の間に膝を滑り込ませ、太腿で優しく撫で始める。身動きの取れない彼は、花音の行為に従う他はなかった。やがてその膝が、
「が……はっ……!」
 鋭く、彼の睾丸に牙をむく。――呻き声。それが間もなく、
「げあああっ!」
 悲鳴へと変わる。
「動いたら……、……わかるでしょ?」
 アスファルトの上に、赤い染みがひとつ、ふたつ、みっつ――
 己の口から滴る血液を目下に見ながら、広志はいっそう震えを大きくする。しかしその震えが、さらに口内の傷を増やしていった。
 必死で元の体勢に戻る。そしてまた、
「はあっ!……んっが……、ああああっ!」
 ぽたり、ぽたり。
 繰り返される行為の中、地を染める赤だけが、着々と広がっていった。
 花音は絶えず、酷薄な笑みを浮かべていた。すいとその顔を広志に近づけ、
「あの夜……何で来なかったの?」
 柔らかくも厳しい響きを帯びた声で、そう問いかける。手首を返し、刃先を彼の上顎に宛てがう。
 広志は、必死の形相で言葉を発した。だが、
「あぐ……うぅっ」
 何をしゃべっているのか、ほとんど聴き取れない。
「あぎっ……なぎ、さ」
 その瞬間、花音から笑みが消えた。

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