[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 一瞬だった。
 女がゆらりと身体を揺らめかせた。――と感じた時には既に、
「……!」
 彼女の姿を見失っていた。そして、僕が視線を動かすより速く、
「ぐうっ!!」
 その衝撃が腹部を襲った。鋭く……、重い。
「……っ」
 エネルギーが内部を伝って、背中から突き抜けていくようだ。
 喰い込んだソレは、拳というよりは――
「げえっ!……っは…………」
 ……鉛のようだった。
 身体がくの字に折れ、目が大きく見開かれる。無意識に頬が膨らむ。胃液が急速にせり上がってくる。それを、ひとたびの咳とともに瀉す。内蔵を鷲掴みにされたような、鈍く、心地の悪い感覚が、さらなる嘔吐感を招く。酸い臭いが、喉元を刺激する。
 ようやく目に入った女の姿が、ぼんやりと視界に入っていた。小さな口を歪に曲げ、恍惚にも似た表情を浮かべている。その瞳は絶えず、僕へと注がれていた。まるで、僕が苦しむ様子を観察するように。
 目的の全くわからない、謎に満ちた女。それでも、今の彼女がとても美しく見えるのは……、きっと僕の目がかすんできているからに違いない。
 やがて、僕の身を持ち上げていた、彼女の小さな拳が抜かれ、
「っ……ふっ……」
 全身の力が奪われる。自分の身体が前のめりに倒れていくのがわかる。視界が暗転し、視力があっという間に損なわれていく。
 それは同時に、僕の保ってきた「普通」が、彼女によって奪われることに他ならなかった。通り魔に殴られ、道端で気絶する。そんなの、どう考えても普通じゃない。明日の朝刊に載ったりするのだろうか。ましてや、相手は女。学校中の話題……、いや、笑いのタネになったりするのだろうか。……嫌だ。……嫌だ!
 普通でいたい。人間らしくありたい。そう願うことの、何がいけないのか。
 ――こんなところで……
 精一杯の恨みを込め、彼女を睨んだ。正確には、睨んだつもりでいた。僕の眼差しが、彼女の目にどう映っていたかなんてわからない。ただ、
 ――そうか。そうだったんだ……
 薄れゆく意識の中で、僕は知った。

 目の前には、倒れた人、人、人――。皆が倒れている。
 僕は安心して、身体の力を抜いた。
 ここでは、これがフツウなのだから。



END

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コメント
この記事へのコメント
ブラジル サンパウロでは 本当にこのような 事も 日常茶飯事に起きてるみたい 恐喝や 窃盗 暴力 殺人 まわりの人も見てみぬふり関わると 自分がヤバイ 毎日おきてるこれが普通みたいです 見慣れたこと=普通 この世界もこれが普通なんだね 僕も一度このような世界体感したいかも 沢山の女性できたらヒールにストッキングはいた 足で 蹴ら踏まれ ゴミのように 何事もなかったように リンチうけ そのまま 歩道で通行人にも 見えてないみたいに 踏まれつづけてみたい
2011/03/31(木) 20:29 | URL | きんた #-[ 編集]
「普通」の不思議。
日本人の生活態度に顕著な「右ならえの思想」を、作品に取り入れてみました。
「普通」とは、実に曖昧で主観的なものなり。――きんたさんのご感想も含めた、私個人の考えです。
後半のきんたさんの発想、面白いですね。構想を練れば、小説が一本できあがりそうですよ。
現実問題は笑えませんね。
このようなサイトを運営している私としては、「事実は小説よりも奇なり」でないことを願ってやみません。
2011/04/01(金) 13:05 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
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