[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 栗毛の女性の美しさに魅入る。
 既に、羞恥心は消えていた。いや、むしろ俺は、その感覚を楽しんでいたのかもしれない。時折下がる彼女の視線に、興奮すら覚える。露出狂とは、こういう気分なのだろうか。
 ゆっくりと目線を下ろす。
 相変わらず見事なプロポーションだ。瑞々しく細い首筋から突出した胸、括れた腰までのラインは、芸術的だとすら思える。さらに視線を落とせば、彼女のしなやかな白い腕が見える。残念なのは、首枷に遮られ、二の腕の辺りまでしか見えないことだ。
 ――俺は全裸なんだ。彼女の指先は俺の欲望の塊を掴み……扱く。優しく……強く……
 妄想に耽る俺の瞳を、金髪女性が覗き込む。俺の口が、再び彼女の唇に包まれた。

 俺は、かくも残酷な事実を知った。
 いつ戻るかもわからない感覚と、待ってはくれない性欲。
 欲情が頂点を極めた今、あらためて思う。例え俺の妄想が事実だったところで……、射精したところで……、感覚に欠損がある今の自分は、その快楽すら得られないのかもしれない。いや、おそらく、確実に。それでも……、逝きたい……。逝きたい!
 興奮が募っていく。息遣いが荒くなっていく。
 その時――、それまで俺の顔に愛撫を続けていた金髪女性と目が合った。そこで初めて、彼女の唇が、今は自分の元にないことがわかる。
 ずっと、感触なんてなかった。こんな美人に接吻を受けるという夢のような現実を前にしても、それを実感することさえできなかった。それでも、こうして顔を離されると、やはり淋しい気持ちになってしまう。見放されたような……捨てられたような……虚無感。
 心に大きな穴が開いたようだった。
 ――嫌だ……
 泣きそうな顔をしているのかもしれない。金髪女性は、そんな俺に優しく微笑みかけた。その碧い眼には、女神の如き慈悲の色があった。彼女の少し後ろには、栗毛の女性が立っている。同じ色の瞳だが、表情が違う。今の彼女からは、酷薄な印象を受ける。口の端だけを持ち上げ、冷たい瞳のまま、栗毛の女性はゆっくりと、その手を俺に差し伸べた。
 彼女の白く細い指が近づき、
 ――見放さないで……
 首元を掴まれ、ずいと持ち上げられる。
 ――ずっと……俺の側に!
 視界が急に高くなる。快楽と同様、やはり苦痛さえ感じない。
 栗毛の女性は俺を捕まえたまま、テラスへと移動した。眩しさに、目が眩む。
 太陽の光が白い壁に乱反射し、俺の視界を一時奪う。目が慣れた時、テラスの向こうに広がる海の青さが、俺を圧倒した。部屋の中より、波の音がよく届く。
 広いテラスには、寝椅子とサイドテーブル、日除けのパラソルがあるのが見えた。彼女は、サイドテーブルまで俺を運んでいった。全身の感覚がない俺は、彼女の為すがままになるしかない。
 テーブルの上には、深めの水槽があった。何匹もの小さな魚が、煌きながら泳いでいる。
 栗毛の女性は再び、俺を高く掲げ、

 水槽に落とした。

 その瞬間、俺は見た。
 水面に映った、自分の姿。――頭だけの。



END

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コメント
この記事へのコメント
新作も見せていただきました。
ゆきな梨央様は本当に文章を書くのがお上手ですね。僕は文章を書くのが苦手なので同じ事ばかり言っているかもしれません。本当にすみません。これからは、しっかりしたコメントを書けるように頑張ります。
2009/10/13(火) 18:06 | URL | ひらき #-[ 編集]
いらっしゃいませ。
ひらきさん、こんばんは。ご来訪、そして温かいコメント、本当にありがとうございます。
新作も、ということは、常連様ですよね。いつもお世話になっています。 
文章についてはまだまだ精進の日々ですが、そのお言葉には、大変励まされます。
ひらきさんが謝る必要なんてないですよ。ましてや、頑張る、なんて滅相もないことです(汗)
コメントについては、どうぞ緊張なさらず、気軽にお願いしますね。
熱意が伝わってくるようで、とても嬉しく思っています。
今後の作品にも、ぜひお付き合いくださいませ。

>上記「秘密コメント」
重複のため、削除いたしました。
ご了承くださいませ。
2009/10/14(水) 23:59 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
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