[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 佐久間は慎重に言葉を選びながら、質問を続けた。
「先ほども、そうおっしゃってましたね。それは大変なことです。でも、一体なぜそう思うんですか?」
「男の人が、迫ってくるんです」
「交際相手ですか?」
「違います。話したこともありません」
「妙ですね。……失礼ですが、迫ってくるというのは、その、肉体関係とか――」
「そうじゃありません。じっと見たり、付き纏ったり。いつも、いつも……」
「ストーカー被害に遭われている、ということでしょうか?」
「そうです」
「そのストーカーに、あなたは殺されるとお思いなんですね?」
「思ってるんじゃありません。私は、殺されるんです」
 切迫した彼女の表情を、佐久間はじっと観察していた。


 雨が交番の屋根を容赦なく叩き続けている。
 佐久間は手帳にペンを走らせながら、女性――山川夏美の言葉を書き留めていった。
 実際のところ、この手の相談自体は珍しいことではない。難しいのは、その事件性や緊急性などの見極めだ。
 まず、本人の勘違いや思い込みであるケースが存在する。その一方で、わずかな初動の遅れが最悪の事態を招くケースも存在する。また、一概にストーカーと言っても、そのタイプは多種多様だ。それゆえ、当然、その対策もまた千差万別となる。
 いずれにせよ、
 ――決して軽視すべきではない。
 それだけが、佐久間の直感であり、確信だった。
 しかしながら、彼女の訴えていることは、今ひとつ要領を得ない。
 佐久間は慎重に、聴き取りを続けた。
「どうして、殺されると思うんです?」
「感じるんです。あの男の殺意を」
「そう思う具体的な何かがありますか? 例えば『殺す』と書かれた手紙が送られてきたとか」
「ありません」
「本当に些細なことでいいんですが、何か、ありませんか?」
「……ちょっと、思いつきません」
「でも、自分が殺されると確信する何かを感じる、と?」
「そうです。それを感じたので、今ここに来ました」
「うーん……。そうです、か……。何か、そういったことをされるような心当たりは?」
「ないです」
「……失礼ですが、あなたの……夏美さんの、その……勘違いということはないでしょうか?」
 佐久間が少し口篭る。こういった質問に対して、過敏に反応する女性も少なくないからだ。しかし、
「ありません」
 夏美は別段表情を変えることなく、端然とそう答えた。

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