[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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「私、近いうちに殺されます」

 宿直の佐久間が驚いたのも当然のことだった。
 時刻は既に、夜中の三時を過ぎている。強風、豪雨、雷すら鳴り響くこんな夜に、突如、傘も差さずに交番に現れた女性を見て、驚くなという方が無理な相談であろう。
 若い女性だった。
 青ざめた表情に唇の紅みだけが際立っている。半袖のシャツ一枚に膝丈のスカートを身に着けている。雫の滴る長い脚――、その足先をサンダルが包んでいた。雨に濡れた黒髪が胸元まで下がっている。
 薄いシャツから浮き出た乳首の輪郭に、佐久間は思わず目を奪われてしまう。
 額を汗が伝ったのは、緊張のせいか。それとも、ここのところ続く熱帯夜のせいだろうか。
 佐久間は少し戸惑いながらも、
「とりあえず、こちらへ。事情をお聴きしますので」
 別室へと女性を通す。エアコンで温度の調節された狭い部屋だった。
 佐久間は彼女に、タオルと、その場しのぎの安っぽい着替えを手渡し、後ろを向く。本来ならシャワーくらい浴びさせたいくらいだったが、生憎ここにはそんな立派な設備はない。
 彼は後ろを向いたまま、先ほどの女性の言葉を思い返していた。

 着替えを済ませた旨を伝えられ、佐久間が振り返る。そこで彼は再度、目の前の女性に見惚れた。
 滅多にお目にかかることのないほどの美人の姿が、そこにあった。
 清楚な表情を覆う色白の肌。切れ長の目の中に大きな瞳をもち、鼻筋もすっと通っている。パジャマのような服をはち切らんばかりの豊満なバストとヒップ。裾の先から覗く、たおやかな白い手足。拭いたばかりの乱れた髪が、女性の色気を際立たせていた。
 佐久間は一度、大きく深呼吸をすると、手帳を胸ポケットから取り出す。置かれた小さな椅子に彼女を座らせ、机を挟んだ向かいの椅子に自分も座る。
 女性は酷く怯えていた。
 佐久間は彼女の様子を見ながら、ふうっと大きな息を吐く。それから、穏やかながらも真剣な表情を形作る。その瞳には、先ほどまでとはまた違った緊張の色が湛えられていた。
 当然だ。よほどの事情がない限り、こんな時間帯に交番へ来る者などいないのだから。
 佐久間は女性の様子を見ながら、何か世間話でもした方がいいと思い、
「今日はまた、すごい雨ですね」
 と、切り出した。しかし彼女は少し頷くだけで、口を開こうとはしない。「ここまで来るのも、大変だったでしょう?」という問いかけにも、同じ反応しかしない。
 佐久間はそこで一呼吸置き、話を本題へと切り替えた。
「えっと、すみませんが、お名前、よろしいですか?」
「山川夏美です」
「なつみ、さんですね。それで、どうされました?」
「……殺されるんです。私」
 彼女の言葉の意味するところは変わらない。佐久間は、自分の耳を疑うことをやめた。

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