[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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「来なさい」
 女王様が呼びかける声に、敏感に反応する。元気よく吠え、その足下に鼻を鳴らして擦り寄る。
 犬――
 これほど幸福なことがあろうか。
 女王様が、頭を掴んでわしわしと撫でる。それが全ての幸福の瞬間であるかのように吠える。
 当然、粗相をした時には叱られ、お仕置きを受けることになる。
「この、馬鹿犬!」
 そう言った女王様の声は厳しい。それでも、女王様の瞳は常に慈愛に満ちている。可愛いと思えばこその調教なのだ。だからこそ、受け入れる義務がある。自責の念をもつ義務がある。感謝する義務がある。
 女王様が罵倒しながら、頭を叩く。絞める。鞭を振り下ろす――
 それでも、その場を動くような真似はしない。痛みに耐えながら、キャンキャンと高い悲鳴を絞り出す。
 女王様との力の差を思い知るほど、抵抗は無意味なものとなる。
 弱々しく喉を鳴らし、ただ項垂れて、許される時を待つ。それが正しい選択だ。そして――
「よしよし」
 その後で注がれる、女王様の溢れんばかりの愛情。免罪の瞬間。
 そこに幸福を感じた時、女王様への忠誠は必然のものとなる。
 興奮し、喜びの感情を全身で表現する。息を荒げ、女王様の足下に擦り寄る。
「本当に可愛い子だね、お前は」
 女王様の言葉に、声を大きくする。甘える。ひれ伏す。
 再び、
「――お手」
 という女王様の言葉が飛べば、するべきことは決まっている。
 それは、言うまでもない、犬としての正しい態度。あり方。至極、当然の行為。
「いい子」
 女王様は、再び頭を撫でながら、
「それに比べて――」
 と、その秀麗な瞳を細く眇めた。
 女王様が、部屋の隅に視線を向ける。

 ……この瞬間、今日初めて女王様が僕を視界に入れた。

 忌々しそうな目つき。本当に汚らわしいものを見るその顔は、それでもなお、女神のように美しかった。
 しかし、瞳が重なったのも、一瞬のこと――
 その視線は、すぐに足下の小さな白いスピッツへと戻った。かの人の愛犬だ。

 女王様の怒りは、未だ解けない。
 どうして僕は、あんな過ちを犯してしまったのだろう。何度、後悔すれば済むのだろう。
 僕は、薄汚いモノを怒張させたまま正座し、目の前で可愛がられるそいつを、ただ見つめることしかできない。
 犬以下の烙印……
 これ以上、酷なお仕置きはなかった。
 手を伸ばしたい。そいつと代わりたい。構ってほしい。撫でてほしい。叱ってほしい。抱きしめてほしい。
 そう欲することすら、罪だというのに。

 いつから涙が流れていたのだろう。
 僕は眼前の光景を、瞳に焼き付けた。二度と間違うことのないように。



END

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コメント
この記事へのコメント
>手を伸ばしたい。そいつと代わりたい。構ってほしい。撫でてほしい。叱ってほしい。抱きしめてほしい。

 女王様のお部屋で、しかも裸で……、女王様と一緒に居させて戴いてて、こんな贅沢なことを考えてしまうなんて、本当に贅沢な奴隷君ですよね……。

>二度と間違うことのないように。

 そう思ってても間違ってしまうんですよね、必ず……。
2013/09/19(木) 04:34 | URL | 馬鹿犬 #-[ 編集]
いらっしゃいませ。
馬鹿犬さん、初めまして。
贅沢を享受していながら、それでも「何か」を求めてしまうのでしょうか。
愚かですね(笑)
作品をご覧いただけて、大変光栄です。ありがとうございます。
お気に召しましたら、今後もどうぞお気軽にご来訪ください。
2013/12/26(木) 19:07 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
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