[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 放課時刻を告げるチャイムの音がした。
 無機質な鐘の音。
 普段は気に留めることもなかったが、何故か今日に限って妙に耳に障る。麻美大嶋に行く機会が多くなっているからだろうか。尤も、こんな底辺の公立高に、あんな軽やかな音色は必要ないのかもしれないけど。
 橙色の西陽が窓から漏れてきている。
 クラスメイトたちが駄弁を吐きながら、ひとり、またひとりと教室を出て行く。私は静かに席に座っていた。
 ちらりと横を向くと、ひとりの女子が近づいてくるのが目に入った。花音。――想像通りだ。
 わざと視線を逸らす。
 花音は私の前の席の椅子に図々しく腰を下ろすと、投げやりな口調で話しかけてきた。
「昨日は、散々だったよ」
「へぇ、珍しいじゃん」
 花音がため息を吐く。私の態度が気に入らないのだろう。わずかに語調が強まる。
「ナメてんの?」
「何が?」
「……あの場所教えたの、あんたでしょ?」
「あの場所って?」
「例の埠頭だよ」
「……さぁね」
「ふーん。ウザい態度」
「そう?」
「急に、連絡取れない奴が増えたんだけど」
「知ったこっちゃないね」
 会話は短いものだった。突き刺さるような花音の視線なんて、どうでもいい。
 その後、花音が立ち上がって教室を後にするまで、お互いに口を開くことはなかった。

 教室が静まりかえると同時に、嫌でも昨晩の焦りを思い出す。

 花音。
 その名を再び呼ぶことがあるとは思わなかった。

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