[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 彩香に、昨夜のような狂気は見られない。
「そろそろかなぁ?」
 男子の胸座を掴んだまま、彩香は彼の瞳を舐めるように覗き込んでいる。
 彼には既に、彩香の言葉に応える気力も体力も残っていないようだった。絶えず呻き、咳き込み、ふらついている。
 彩香は、そんな彼を壁に押し付け、
「じゃあ、そろそろトドメ!」
 両手で制服の肩をしっかりと捕まえ、左の膝を彼の腹に何度も叩きつけた。
 当然その間は、他の女子が彼の全身を押さえ、倒れないように支えている。彩香は必死で攻撃を加えながらも、「ありがとう」と、皆に呼びかけることを忘れない。
 実力も然ることながら、この気配りも、彩香が皆に慕われる理由なのかもしれない。
 彩香が、腹責めを途中で止める。
「うえっ……、げ……」
 嘔吐寸前であろう男子の耳元に口を寄せ、
「こんなんで吐いちゃダメだよ。まだまだ、これから……」
 にっこりと微笑みを浮かべて囁いた。
 他の女子と和気藹々と騒ぎながら、ルールに則ったリンチを楽しんでいる。
 いつもの彩香だ。
 紗希もまた、いつもと変わらなかった。少し離れた壁際で、ゲームを見守っている。
 自分を見つめる美里の視線に気付いたのか、紗希は唇を緩めた。美里は、小さくお辞儀をした。

「ねぇ、美里」
 瀕死遊びから視線を逸らさぬまま、紗希はそう呼びかけた。
「はい?」
「何が正しいかなんて、やっぱりわからないけど」
「……はい」
「私は、彩香を人殺しにだけはしたくない」
「…………」
「それだけだよ」

 紗希の言葉はまっすぐで、美里の心に自然と染み入った。
 自分の心に、何か一本の道が通っていく。そんな気がした。
 あらためて二人を見直すことで、美里は気付いた。
 元気で明るい彩香の、ガラスのような脆さに。いつも素っ気なく冷たい態度を崩さない紗希の、秘めた優しさに。

 その時、女子たちの嬌声に紛れ、
「美里。やるー?」
 いつもの元気な声が飛んできた。彩香だ。一点の曇りもない、子どものような笑顔がそこにあった。
 美里の表情にも、自然と笑みが溢れてくる。美里は、彩香の方へと向き直り、
「はいっ!」
 元気な声とともに、足を踏み出した。



END

【 piece : 渚 】

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