[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 美里の瞳は揺れていた。身体を小刻みに震わせ、今にも溢れそうになる涙を堪える。
 ――信じたい。
 胸の奥から、自分の声が響いてくる。ここまでされても、まだ花音を信じたいのか。
 美里は自問し、己の甘さに唇を噛み締める。
 そんな美里の姿とは対照的なのが、花音の態度だった。
 美里の様子を気にかける素振りは全くない。紗希の強い呼びかけすらも、
「何? 友情ごっこ、まだ見ろって?」
 不敵な笑みを絶やすことなく、さらりと切り捨てる。挑発している風でも、喧嘩をふっかけている風でもない。強いて言えば、興味が全くない、といった様子だ。彼女がごく自然に踵を返した時、
「まだ……、話があるんだよ」
 さっきよりもドスの効いた声が、紗希の喉から発せられた。
 花音はピタリと足を止め、
「わたしには、話すことなんてないから」
 ただ、人を食ったような笑みを零すだけだ。
 彩香にしがみつかれたまま、紗希はため息をついた。
「何を言っても、無駄なんだね」
「そう」
「……大した器だね」
「ふふ……、どうも」
「でも、今度また、美里に手を出すようなことがあれば――」
 花音はケラケラと笑い、
「その時は許さないぞぉ……って? 怖い怖い」
 と、全く怖くなさそうに吐き捨て、再び歩を進め始めた。
 その時になって、美里の唇がようやく解けた。
「か、花音……、さん……!」
 叫びのようでもあり、泣き声のようでもあった。
「……どうして?」
 言えたのは、それだけだった。
 小さく零した美里の声に、花音がまた足を止める。しばらく立ち止まった後、首だけを美里に向けた。
「あんた、本物のバカ?」
 心無い花音の言葉に、押し込められていた美里の感情が、一気にほとばしる。
「私は……、と、友達だと思って――」
「それで? 今までの友達を捨てて、わたしを信用したんだよね?」
「……っ!」
 何も言えなかった。花音が皮肉めいた笑いを浮かべる。
「薄っぺらいね、あんたの友情」
 痛い言葉だった。打ちのめされ、美里は俯いた。返す言葉が思いつかない。
 膝の上に握って置かれた拳に、涙の雫が一滴、また一滴と零れていった。

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