[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 留美が苦しみから解放されたのと同時に、私もまた苦しみから解放された。
 これが、どれほど幸福なことか。感謝しても、し足りない……
 安田もいずれ、それを悟るだろう。もちろん、あの顔のない連中も。今はただ、気付かないだけ。こんなに綺麗な舞台を放棄した愚かさを、その時になって嘆くがいい。
「留美……、さま……」
 思わず口にしてしまう。
 もちろん、気持ちを隠しておかなければならない理由などない。だって……、
 ――ここは既に、私たちだけの貸切舞台なんだから。

 動かなくなった安田に腰を下ろし、優雅に脚を組む。そして、
「アゥ……テンユゥ……」
 彼女はまた歌い始めた。
 流麗で穏やかな旋律が、私の心を揺さぶる。優しくて温かい。まるで母の愛のようだ……
 彼女はその瞳を、ゆっくりと横に流した。虚ろで魅惑的な瞳が、私を捉える。そして、満面の笑みをその顔に湛える。立ち上がり、一歩、また一歩――。私へと歩を進め、目の前でピタリと動きを止めた。
 彼女が両手を大きく広げる。まるで私を包み込むように。
「あぁっ……」
 胸が満たされるような快感に酔い痴れる。
 いつの間にか、私の瞳には涙が溢れていた。それは後から後から流れ、止まろうとはしない。それでも、翳む目を拭おうとは思わなかった。これもまた、私が解放された証に他ならないのだから。

 彼女が私をじっと見つめている。吸い込まれるような瞳だ。唇からわずかに覗いた舌から、紅い鮮血が滴る。それが、透き通る肌を一層強調する。
 私もまた、微笑みを浮かべた。
 そう、私には顔がある。あの連中とは違う。確かに感じるのだ。涙に濡れたまま口の端を持ち上げる、自分自身の顔を……
「……留美様」
 再度そう口にし、私は彼女の前で、恭しく膝をついた。

 同じ解放者――しかし、私と彼女は、天と地ほども違う存在。
「ユミユォ……リオ……エオフゥ」
 彼女の腕に包まれ、私は心を埋める存在の何たるかがようやくわかった気がした。
 私は顔を上げ、彼女の温かさに身を委ねた。そして、
「プキラァ……ヨキヒツ……タシィ――」
 彼女と共に、その唄を口ずさんだ。

 この幸福が、皆に届くように。



END

Back | Novel index | Next
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。