[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 留美を苦しみから解放したのは、その唄だった。
「カァ……ラシラキ……ネィ……アモワ」
 彼女が口にした、美しく、どこか懐かしい旋律。
 軽やかな響きに、生徒たちの放つ雑音は一息に消え去る。
 皆の視線を集めながら空を仰ぐ彼女の姿は、まるで天からの使いのように見えた。
 教室の窓から注ぐ淡い陽の光と、ふわりと抜ける風。自然の寶を身に纏い、留美は舞った。
「アフキゥ……ナナル」
 その手はしなやかに揺れ、流れるような長い黒髪とともにひらひらと風に乗る。今にもふっと消えてしまいそうな儚さと透明感を漂わせながら、彼女は強烈な存在感をもってそこにいた。これほどまでに神々しく見えるのは、陽の光が彼女を称えているからなのかもしれない。
 夏用セーラー服の裾から、脇腹がちらりと覗く。持ち上がる短いスカートから、縞模様の下着が何度も顔を出す。
 大きな瞳にすっと伸びた鼻。薄くて艶のある唇。小ぶりだが形の整った胸。くびれたウエストに、長くて綺麗な脚。
 その美麗な容姿をもって生まれただけで、留美は幸福だ。――そう考えていたのは、私の勝手な思い込みだったのかもしれない。だって今まで、こんなにも美しく輝く彼女は見たことがなかったから。
 男子も、女子も、留美のあまりの美しさに、しばし言葉を失っていた。どの顔も真っ白だ。いや、そもそもどこにも顔なんて無い。あいつにも。あいつにも。きっと、私にも……。だからこそ今、留美の顔は普段以上に美しく、眩しく感じられるのだろう。
「――さ、斎藤?」
 担任の安田だ。留美の声を妨げる野太い声が不快だった。それでも彼女は舞いを止めることなく、教室の前へと軽やかに歩みを進めていく。当然だ。今の彼女を止めることなど、誰にもできない。
「キフソ……トユゥ……クルゥトゥ……」
 唄いながら、留美は黒板にガンガンと頭を打ち付け始めた。先ほどまでのなめらかな動きにアクセントが加わり、彼女の舞いが盛り上がりを見せる。
「やめ、やめろ! おい、斎藤!」
 留美の背後から、驚声を上げて羽交い絞めにしようとした安田が、
「ふっ!……んっ、ぐうっ!」
 制裁を受けたのは当然のことだ。鈍い音が響くほどの強烈な肘鉄が、安田の腹に突き刺さる。腹を抱えて身体を丸め、蹲り、彼は獣のような呻き声を上げた。私は思わず吹き出してしまう。教師のくせに、舞台での礼儀も知らないのだろうか。
 留美は縮こまった安田の背中を踏み台にし、なおも華麗に踊る。美の留美と、醜の安田のコントラストが絶妙だ。
 私は魅了され、彼女から一時も目を放せなくなっていた。

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