[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 多くの障害物が、リラックスチェアーを覆っていた。
 耳障りな音。未だ硬くなったままの突起物。黒い染みと、赤い染み。よく見れば、チェアーの表面全体に汗のような液体も滲んでいる。鼻をつく臭い。
 掃除が必要になってしまったと思うと、少々気だるい。もちろん、今日これから掃除をする気になど到底なれない。ただ、今もなお部屋に響いている音だけは、耳障りで仕方がなかった。
 ――もっと、調整の勉強が必要ね……
 そんなことを考えながら、私はチェアーのレバーに手を掛けた。電源を切るためだ。
「んー!……ん、んぅぅぅぅ……!」
 その時、聞くに堪えない擦り切れたような騒音が鳴った。チェアー全体が激しく揺れる。椅子の頭部から、透明の液体がとめどなく流れる。
 何かを訴えかけるような、縋るような、まるで断末魔のような――
 それを聞き流しながら、
「おやすみなさい」
 私はチェアーに言葉をかけ、グッ――、と一気に力を込めてレバーを絞める。それとともに、下の突起物から、白く濁った液体が勢いよく噴き出された。

 チェアーの音は、完全に消えた。

 気付けば、あれほど私を悩ませた突起物が、みるみるうちに萎んでいく。やがてそれは、最初と同じ、小さな物体に変わっていた。
 試しにレバーを緩めてみた。が、全く音がしない。

 ――壊れちゃったかな……、また。

 私は大きくため息をついた。
 どうにも、このチェアーは長持ちしないらしい。またどこかで新調しなければならないと思った。
 ともかく、それはまた後で考えることにしよう。
 ただ今は、チェアーがようやく無音、無動作、無突起になったことが悦ばしかった。

 チェアーのそこかしこが汚れている。
 私は苦笑した。本当に手間のかかるチェアーだ。だが、掃除は後でいい。
 黒、赤、白、透明、それぞれの液――、その全てを覆うように、私は大きなタオルケットをチェアー全体に掛けた。
 倒れ込むように背中からチェアーに身を預ける。もちろん、音は一切鳴らない。

 チェアーが、次第にひんやりと冷たくなっていく。
 やがて、ひどく透き通った眠りの国が、私を迎え入れた。



END

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コメント
この記事へのコメント
素晴らしい作品です。
まるで自分がチェアーとして使用されているような錯覚に陥りました。
使用され廃棄される・・そのような立場がとても魅力的に感じます。
素敵な作品を拝見させて戴き、ありがとうございます。
2009/06/02(火) 23:41 | URL | kazowk #-[ 編集]
ありがとうございます。
kazowkさん、いらっしゃいませ。こんばんは。ご来訪とコメント、ありがとうございます。
作品に浸ってくださったようで、とても嬉しく思います。温かいご感想が、心に沁みます。
それにしても、彼の立場を魅力的に感じられるとは……。あらためて、感心させられますね。
ドン引き覚悟のサイトなので(笑) もちろん、私にとっては、有難い限りです。
こちらこそ、拙作をご覧いただき、ありがとうございました。
よろしければ、またぜひ、ご来訪くださいませ。
2009/06/03(水) 22:20 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
面白い作品をありがとうございます。
女性が男性をチェアーに縛り付けて支配している感じがいいですね。ありがとうございました。
2009/10/23(金) 15:16 | URL | ひらき #-[ 編集]
ひらきさん、こんばんは。
ありがとうございます。こうしてコメントを頂けることが、大きな励みになっています。
私自身は、支配(拘束)は、相手に安心を与える行為だと思っています。
不自由であるがゆえの自由。
「何でも自由に」と言われた途端、何をしていいのかわからなくなる人間心理のような。
ただ、物語の彼の状況は、どうやらこの限りではなさそうですが(笑)
いろいろと作品をご覧くださり、とても嬉しいです。
2009/10/24(土) 22:11 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
たまにこれを読みたくなり、もう何回か読んでいます。
自分もこういうふうに、壊れるまで使って頂きたい気持ちで一杯になります。何と言えば分かりませんが、無視されている感じが素敵に思えます。女性に使われるだけのモノ(男)が羨ましくて堪らないです。(男の立場で)それが現実なら苦しいでしょうが…。
「私」がとてもしっかりしていて、知的で、またそこに惹かれてしまいます。無能は使われるだけ…みたいな。
またこういう素敵な作品を書いて欲しいです!文体も読みやすくて、好きです。正当拷問自白法や女子高生の続きも楽しみにしています。

このサイトの作品は売ってたりしますか?自分が紙で読むタイプなので(汗)
2011/04/23(土) 00:30 | URL | ma #lISGuULQ[ 編集]
コメント、ありがとうございます。
maさん、こんにちは。何度もご来訪くださっているんですね。今回ご感想を頂けて、とても嬉しいです。
彼女に使われるだけの存在。利用できるだけ、彼にも存在価値があるといったところでしょうか(笑)
私は自分の感性で好き勝手に執筆していますが、作品は、やはり読者様の感性に依拠するものだと考えています。
読み取って、感じて、浸って、何度も物語をご覧くださる。そんなmaさんのような方に支えられて、当方は成り立っています。
文章表現についてのお褒めの言葉が心に沁みました。シリーズものへのご期待の声にも感謝するばかりです。
質問の件ですが、販売はしておりません。
紙媒体がお好みなんですね。私も同じです。が、こんな拙作でお金を取るのはさすがに図々しいかと(汗)
お金を出しても読みたい――、というお気持ちと勝手に解釈して、勝手に感激しています(笑)
予定はありませんが、無料配布などの機会がありましたら、ぜひお手に取ってください。泣いて喜びます。
コメント、ありがとうございました。これからも、当方をどうぞご贔屓に。
2011/04/23(土) 12:07 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
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