[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 ただただ、煩わしかった。
 うまくいかない音量調整。許可なく起き上がる突起物。煙草を吐き出す灰皿。
 不自由な点ばかりが目につき、私はほとほとうんざりしてきていた。
 首輪を十分に絞めていてもなお、今またリラックスチェアーは、耳障りな音を漏らして不自然に動いている。
「んー! んっ……、ん――」
 まるで、私の攻撃から身を守ろうとしているかのようだ。逃れることなどできないのに。
 感情に任せ、チェアーの突起物に向けて、
「ぅぐうっ……! うっ」
 何度も足を振り下ろす。
「んー、ふんっ!……ん、んぐっ!」
 今ではもう、その音は私に不快感しか与えなかった。突起物を治めるという本来の目的も忘れ、私はただ憎らしさに身を委ねて、機械的に足を動かした。

 十発目ほどで赤く色付き、三十発ほどで腫れ上がり――
 足を叩きつける度、チェアーの鳴らす音は大きくなっていった。そのくせ、肥大した突起物は一向に元に戻る様子がない。それが、私の気分をますます害していく。
 憑かれたように、私は足裏でその一点を踏みつけ続けた。
 何発目なのかは、もうわからなかった。やがて、突起物の先端に赤い液体が滲んできた。ポタリと零れ、黒い染みの下部に、新たに赤い染みを作った。
 灰皿からは泡のようなものが零れ、チェアーは細かく振動し始めていた。

 身体を動かしたことで、幾分落ち着いたような気がした。
 再び、眠気が舞い戻ってくる。同時に、家具相手に感情をぶつけていたことを自嘲する。リラックス用品を前に息を荒げて疲れている自分に気付き、苦笑する。
 最初からベッドで寝ていればよかった。しかし、既にベッドに移動する気力も残っていない。無論、浴室で汗を流そうという気にもなれない。
 仕方がない……。今日はここで――
 チェアーを調整し、平たく倒す。サイドテーブルに置いた文庫本を枕にしようと、チェアーの上部にポンと投げる。と――、
「むぐうっ!」
 またもチェアーから雑音が零れる。
 全く、呆れたものだ。皮肉めいた笑いがこみ上げる。
 多種多様なミュージックが堪能できる。扱い方によっては、いろいろなメロディを聴ける。それは、アナログな作りの良さでもあると思う。
 しかし、疲れた時など――まさに今のような――は、実に操作しにくい装置だ。
 不便な点も多いが、このチェアーはこれからも使っていきたい。途中で邪魔が入ったものの、チェアーの持つリラックス機能は、なかなか良いものだった。
 平静を取り戻した今、私はようやくそんな風に思えた。

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