[18禁] 逆リョナ小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
 新法案を巡り、国会では連日、与野党間の激しい攻防が行われていた。
「大臣はこの法案についていったいどうお考えなんでしょうか?」
「『目には目を、歯には歯を』――ハムラビ法典を知らないわけではありますまい。現代は猟奇殺人や愉快犯、放火など実に嘆かわしい事件が相次ぐ時代となってしまっているのです。この時代を立て直すには、もはや古代に学ぶより他はありません」
「この法案が現代にどのような影響を与えるのか。この法案を成立させることによるメリットをお聞かせいただきたいのです」
「犯罪者による、自白率の増加ですよ」


「新法案『正当拷問自白法』与野党合意の上、成立」
 新聞の一面に大きく記事が載っていた。諦めかけてはいたが、それでも俺は少しの希望をもってこの議論を見つめてきた。が、結果は可決。
 現実にこの法案が成立してしまったことは大きな問題だ。
 なぜなら俺は、犯罪者だから。
 事実は、紙切れ一枚で決まる。だったら俺が、黙秘を突き通せばいい。自信は十分あった。
 この法案が可決するまでは……

 俺が警察に目を付けられるのに、それほど時間はかからなかった。
 世間で言うところの凶悪犯罪だ。証拠の全てを隠滅することなんて到底無理だった。だが……、だが俺は、絶対に逃げ延びてみせる。

 連れて来られたのは、警察署の取調室だった。
 ここの構造は、刑事もののドラマなどで見るものとさほど変わらない。ドラマの演出もなまじっか嘘ではないのだと感じる。制作者側の人間もきちんと取材しているのだろう。装飾の一つもなければ、面白い置物すら置いてない。全くもってそっけない部屋だ。机が一つ置いてあり、俺と刑事は向かい合って座らされる。
 刑事は表情が読み取られないよう、そして、刑事が容疑者の少しの表情の変化も読み取ることができるよう、容疑者の顔を照らすライトや窓の位置の工夫がしてあるらしい、と、どこかで聞いたのを思い出した。

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