[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 二つのサンダルが、地面に転がっていた。
 彩香は、自分が裸足になっていることを気にも留めていないようだった。もはや無抵抗となった勇作の腕や足、胸や腹を力任せに蹴る。踏みつける。踵を叩きつける。
 鈍い音が幾度も響く。時折、骨の損傷音が混じる。彩香の白い脚が、赤黒く飾られていく。
 いつも学校で見ていた明るく、溌剌とした雰囲気は、今の彩香からは全く感じられなかった。
 ――私が、何とかしなきゃ!
 美里は何とか自分を落ち着けようと、深呼吸をする。
 勇作の肢体が不自然に歪み始めた頃、彩香は跳び上がり、男の腹の上に臀部を落とした。わずかに男の身体がくの字に曲がり、再度、口から黄ばんだ液体を吹き出す。既に彼に意識はない。しかし彩香は、彼の腹上に座ったまま、右から、左から、彼の顔面に容赦なく拳を叩きつける。その時――
「や、やめて! もう……、もうやめてくださいっ!」
 美里の喉から、大きな声が吐き出される。それを機に、美里は体全体で彩香に跳びかかった。
 彩香は本来の目的を忘れているようだった。身体に纏わりついてくる美里に構うことなく、容赦ない追撃を勇作に加えていく。美里は懸命に叫んだ。押さえつけようと必死になった。しかし、彩香の力は、今の美里の及ぶところではなかった。手加減を忘れた人間の怖さを、美里は身をもって感じていた。
 勇作の顔は腫れ上がり、今や人相自体が変わっていた。
 彩香はくるりと体勢を変え、脚で彼の背後から喉を絡め取る。太腿絞め――チョークスリーパーの変型だ。その脚が急所をしっかりと捉えていることは、格闘技経験者の美里にはよくわかった。そして、今の彩香がそれをすることの危険性も――
「お願い! 彩香さん! その人、……死んじゃう!!」
 美里の必死の叫びも、空しく宙に舞う。
 彩香の太腿は勇作の喉に深く喰い込み、それに伴って、彼の口から泡のようなものがブクブクと溢れてくる。彼の表情は見る間に赤くなり、やがてすうっと青くなっていく。身体が痙攣し始める。股間が濡れ、血液と混じって異臭を放つ。
「あっ!……ぐうっ」
 その時、苦悶の声を上げたのは美里だった。
 彩香が身体を捻った拍子に、彼女の肘が美里の左肩の傷口を抉ったのだ。
「く……、うぅ……」
 鋭い痛みを感じ、美里はたまらず彩香の身体を離れた。そして、がっくりと項垂れた。
 美里にとっては、これが最後の賭けだった。ここで止められなければ、間違いなく相手が死ぬ。美里はそう確信していた。自分の不甲斐なさ、力の無さをあらためて感じ、自責の念に駆られる。瞳から、涙が止め処なく溢れる。
 次の瞬間、美里の耳に意外な音が飛び込んできた。ゆっくりと顔を上げる。そこには、地面にへたり込み、嗚咽を漏らす彩香の姿があった。
「美里……。ごめんね、美里……。私のせい……、怪我……」
 とぎれとぎれに聞こえてくる単語に、美里は安堵し、涙を流した。それがどんな感情から来るものなのかは、美里自身にもわからなかった。ただ美里は、すすり泣く彩香に、
「大丈夫です。……大丈夫」
 と、優しく声をかけた。頬を濡らしたまま、精一杯の笑みを浮かべて。

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