[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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「ひいぃっ……」
 勇作の弱々しい声が、波風に乗って運ばれていった。
 緊張が限界を迎えたのかもしれない。それまで保っていた表情は崩れ、足はガタガタと大きく震えて止まらない。今にも腰を抜かしそうだ。喉からは擦り切れるような異音を放っている。
「勇作は……、わかってるよね?」
 俯き、ふり返ることなく、花音が静かに語りかける。勇作はあからさまに怯えた様子を見せた。彼女の問いかけへの答えに窮している、といった風だ。沈黙に耐え切れなかったのか、彼は、
「はいっ!」
 威勢良く返事をする。しかしその声の見事なまでの裏返りが、勇作の嘘を明確に示していた。
 花音がふり返った時、勇作は顔面蒼白になっていた。硬直したまま、全身を小刻みに震わせている。額に滲んだ汗が、頬を伝って流れ落ちる。そんな彼の瞳をじっと見つめながら、花音は、
「……バレバレ。その気合いはわかったけどさ――」
 と前置きし、無表情のままで勇作にゆっくりと近づく。そして、
「嘘は言わなくていいよ」
 言葉を紡ぐと同時に、勇作の鳩尾を拳で小突いた。彼は身体をわずかに折り、
「はいっ! すみません!」
 と、頭を下げる。花音は、彼の髪を掴んで顔を持ち上げた。射抜くような瞳で彼の目を見つめ、
「あの子はね。お前たちみたいなカスより、よっぽど利用できるの」
 ゆっくりと、切り捨てるように言った。勇作は反射的に肯定の意を表す。もはや彼女に従う他に術はないようだ。花音は紫煙を彼の顔に吹きかけ、短くなった煙草を地面に捨てる。それから、
「今から、もっと使える奴、呼ぶから」
 勇作の耳元で囁く。彼は背筋を伸ばし、またも「はいっ!」と声を張る。
「……どうするべきか、わかるよね?」
「はいっ! じ、自分が!」
「そう。察しがいいね、偉いよ。じゃあ……、早く連れ戻して来いよ!」
 花音が語尾を強め、勇作の髪を放す。彼はそれと同時に、
「はい! 行ってきます!」
 即座に走り出そうとする。しかし、
「ちょっと!」
 背後から、再び花音の声がかかる。
 勇作はピタリと足を止め、おそるおそるふり返った。直後、「ひっ」と声を上げる。花音がすぐ真後ろに立っていたからだ。彼の目の前には、花音の手が差し伸べられていた。
「忘れ物、あるよね? まさか犯れなかったからって、踏み倒すつもり?」
 そう言って、掌で勇作の顎をそっと撫でる。花音の目は据わっていた。彼はすぐさま、
「い、いえっ! とんでもないです! すみません!」
 頭を下げ、財布ごと花音に手渡した。花音は、
「物分かりがいいね。じゃ、行ってらっしゃい」
 そう言って、にっこりと微笑んだ。勇作は再度、深々と頭を下げ、逃げるように走り去った。
 静寂が辺りを包み込んだ。
 花音は、脱いだままになっていた片方のミュールを履きなおすと、晋介の前にしゃがみ込んだ。彼のポケットから財布を抜き取る。それから、優雅な面持ちで彼に腰掛け、再び一本の煙草に火をつけた。

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コメント
この記事へのコメント
いつも楽しく読ませてもらってます。
花音様のファンなんで嬉しいストーリーです。


花音様みたいな人がいたら踏まれいじめられたい…。

これからも頑張ってください。
2009/05/09(土) 04:49 | URL | 名無し #-[ 編集]
光栄です。
こんばんは。応援コメント、ありがとうございます。作品を楽しんでくださり、とても嬉しく思っています。
花音のファンでいらっしゃるんですね。こうして人物に愛着をもっていただけることは、作者冥利に尽きます。
第二部にして、ようやく花音の本性をお見せすることができました。それにしても、恐ろしい女子高生ですよね(笑)
今回は、当サイト初の複数部構成でお届けしています。少々緊張していますが、どうぞ温かい目で見守ってください。
メッセージ、大変励みになりました。重ねて御礼申し上げます。ご覧くださる方あってのブラオニですので。
これからも、彼女たちの紡ぐ物語をお楽しみいただければ幸いです。またのご来訪、心よりお待ちしています。
2009/05/09(土) 23:43 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
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