[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 そこにはひとつの美貌があった。
 若い女性だ。大きく切れ長の目。その瞳は、温かさと冷たさが共存しているような魅力をもっている。鼻筋も通っており、薄い唇は淡い桃色の口紅によって上品に輝いていた。流行りの長い黒髪がさらりと風に靡き、時折、彼女の頬を撫でた。
 背が高く、スタイルも抜群だった。
 身に着けているのは、以前、ストレッチ素材と呼ばれていたものによく似た、薄くて伸縮性のあるスポーツウェアだった。身体にぴったりとフィットし、彼女のしなやかな身体のラインを強調している。上半身の半袖は、実用性の高さを意識した丈の短いタイプのものだ。胸の谷間やへそがちらりと覗いている。短いパンツもまた、同じ素材のものだった。肉感的な、長くて綺麗な脚がすらりと伸びている。その足先は、白に紅のラインの入ったシューズに収まっていた。
 彼女は微笑みを湛え、男の様子を静かに見つめていた。まるで、彼が側に来るのを待ち焦がれているかのようだ。片時も、彼から目を離そうとしない。反対に男の方は、女性が目の前にいることも知らないまま、ただ触手に与えられる快楽に酔い痴れていた。
 男がコンベアーの下方に入る。次第に、彼の息遣いが激しくなっていく。悶え、喘ぎ、やがて大きく身体を仰け反らせ、咆哮した。むき出しの亀頭から、白濁液が勢いよく噴出される。
 コンベアーから地面に降り立つ寸前のことだった。男は安堵にも似た息を大きく吐き出し、肩で激しく呼吸をする。彼のチョーカーが外れ、地面に転がる。そして次の瞬間――
 ゴキィッ――!
 鈍い音が響いた。
 男が頭部から吹き飛ばされ、宙を舞う。そして――、容赦なく地面に叩きつけられた。コンベアーから幾分離れた場所だった。声を上げる暇も無く、彼は絶命した。
 アイベルトが外れ、男の飛び出た眼球が露出する。その頭部は歪に変形していた。
 滴り落ちる血液。それらが、彼の顔を優しく包み込んでいた。
 男の頭部付近の草が、赤黒く彩られていく。時間とともに、その範囲はじわじわと拡大していった。これで彼もまた、他の物言わぬ肉塊の中のひとつとなった。近くに転がっている他の死骸が、彼の血液の広がりを妨げた。
 ガーディアンセンターに併設されたこの施設では、これが日常の光景だった。
 女性たちのためだけの遊技場。利用申し込みがあれば、すぐに的となる男が用意された。異常なほど増加した男を削減するためにも、この遊技場は有用だった。
 彼女は微笑んでいた。人工ライトに照らされ、神々しいまでに輝いている。しばらくすると、楕円型の装置上部に設置された電光掲示板が、キラリと光を放った。

 ――α78-pt

 表示された点数を確認した女性は、不満げな面持ちで掲示板を睨んだ。
 血塗れのバットを放り投げると、装置が素早く反応し、新たなバットが彼女の手元に届けられる。
 彼女は新しいバットを手に取り、ぐいと握った。

 次の男がカタカタと運ばれてくる。
 女性はゆっくりとバットを振り上げて待った。



END

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コメント
この記事へのコメント
男の情けなさ加減が良い
シリーズ初作~3作まで読みました。実はこの3作目が個人的には一番のお気に入りです!コンベアの触手で感じてしまっている男の情けなさ加減が良いですね。それから、第3者の視点で淡々と観察的に書かれているのが良いです。かえって残酷さが際立ちます。2作目にはしっかりと愛がありますが、私は性的嗜好が露出したこうしたシュールな作品に惹かれます。それから、終わりのシーンは、なんとなくユーモラスでもありますね。星新一のショートにありそうな。
2009/06/06(土) 13:15 | URL | MFファン #6UxiEqik[ 編集]
温かいご感想、ありがとうございます。
MFファンさん、いらっしゃいませ。いつも熱心に小説をお読みくださり、大変感謝しています。
有難いコメントに、胸が熱くなる思いです。感激と同時に、その多さには驚かされましたが(汗)
シリーズを通してご覧いただけて光栄です。
星新一氏はやはり有名ですね。私が尊敬する人物の一人です。
この作品はオリジナルですが、やはり彼の影響は大きいようですね(汗) 自分流が欲しい……(笑)
当サイトには、星氏の物語へのオマージュ作品も掲載していますので、よろしければご覧ください。
個人的には、MFファンさんのシリーズ一番のお気に入りがこの作品、ということに驚きました。
私はこういった雰囲気の作品をよく書きますので、この種の他作品も楽しんでいただけたら幸いです。
2009/06/07(日) 19:36 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
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2012/05/20(日) 00:16 | | #[ 編集]
メッセージ、受け取りました。
感謝する気持ちや、身の程をわきまえた態度は、とても大切だと思います。
どうもありがとうございました。
2012/05/20(日) 13:45 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
コンベアーに乗った男は自分がどうなるかも知らされず、ただ快楽に身体を震わせて自分が死んだことすら気づいていないのですね。
でも、それは幸せなのかもしれませんね。
自分の顛末を知っていたらどにように触手に反応するのでしょうか?
私なら顛末を知っていても身体の反応は抑えられなくて、男と同じように白濁したモノを放出してしまうと思います。
それが死への餞別ですね。
2012/05/20(日) 16:23 | URL | 昼の梟 #LkZag.iM[ 編集]
こんばんは。
ただの的にも餞別を――
昼の梟さんの、その優しさが素敵ですね。彼らも報われるのではないでしょうか(笑)
「幸不幸は主観的なものである」
――ご感想を頂いて、ふと、ショーペンハウアー氏の『幸福について』を思い出していました。
どの作品でもそうですが、何かを感じていただけることが本当に有難いです。
2012/05/27(日) 19:19 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
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