[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 マグカップから、白い湯気が上がった。
 温めたミルクをテーブルの上に置き、美里は語りかけた。
「少しは落ち着いたかな?」
「……うん」
 そう言ってはにかむ彼女の表情は、依然として強張ったままだった。
 部屋には、美里好みの可愛らしい装飾が施されていた。窓から屋内を照らしていた夕日は、次第にその身を隠していく。
 春を迎えたとはいえ、この時期の夕刻過ぎはまだ肌寒い。
 美里は二つのリモコンに手を伸ばし、慣れた手つきでそれぞれのボタンを押す。操作音と同時に、蛍光灯が点灯し、エアコンが暖気を放ち始めた。それから夕日が完全に落ちるまで、じっと窓の外を眺めていた。
 ダークレッドの制服の襟元を少し緩め、美里はテーブルの向かいに座った人物をあらためて見た。
 端正な顔立ちだ。見事なプロポーションが大人の色香を匂わせる反面、たおやかで可憐なふるまいが清らかですっきりした印象をも同時に醸し出している。事前に聞いていなければ、とても同い年だと気付くことはできなかっただろう。
 彼女の肩は未だ小刻みに震え、瞳には動揺の色が絶えず湛えられていた。
「寒い?」
 美里の問いかけに、彼女は俯き、首を横に振った。
「あの……ごめんね。私の服、ちょっと小さかったね」
 緊張を少しでも和らげようと、美里は努めて明るい声で言葉を続ける。
 実際、典型的な幼児体型である美里の室内着は、彼女には合っていなかった。彼女の背の高さに合わせて大きめのものを選んだが、それが却ってアダになっているのだ。水色のフリースは胸だけが窮屈さを見せ、ジャージのズボンは足首を覆い切れていない。しかし今の美里にとっては、自分の内心の恥ずかしさなどは問題ではなかった。
 彼女の心のケアをすること――。美里の関心は、専らそこに集中していた。
「制服、今洗濯してる。でも、きれいに落ちるかどうか……」
「いろいろ、ありがとう。……ごめん」
 彼女は顔を上げ、返事をした後でマグカップに口を付けた。美里もミルクを啜り、
「気にしないで」
 と、穏やかな表情で答えた。
「……あったかい」
 吐息とともに彼女がそう口にする。その表情がわずかに綻んだように見え、美里は安堵した。と――、同時に彼女の瞳から、涙がすうっと頬を伝って落ちた。下唇を噛み、両手を固く握っている。その様子を、美里は真剣な眼差しで見守る。
 しばしの沈黙が、二人の間を駆け抜けた。
 彼女の呼吸が乱れてくる。美里は立ち上がり、彼女と肩を並べて座った。項垂れた彼女の背中をゆっくりとさすりながら、
「何があったか、……聞いてもいいかな?」
 柔らかい口調で言葉をかける。
 彼女はコクリと頷いた。

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