[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 あの光景、……今、鮮明に蘇ってくる。
 なんで、こんな大事なことを忘れてたんだろう。記憶の奥の方。頑丈な檻の中に閉じ込めてた。
 あの日の君の姿が見えるよ。
 涙、泥、傷、痣でグシャグシャになった顔と、かすかな呻き声だけを上げて地面にぐったりと横たわる姿。
 それが、君の存在を思い出した時、真っ先に浮かんできたものだった。
「内緒だよ」
 君の胸座を掴んで無理矢理、身体を起こした。でも君は、ぐったりしていて答えることができなかった。だから私は頬を張った。君の左頬だけが、どんどん赤くなっていった。
「……はい」
 その言葉を君から聞いてから、私は手を止めた。そして、もっと君を追い詰めた。
「誰にも言っちゃ駄目なんだよ」
「はい」
「絶対だからね」
「はい」
「先生にも、友達にも、お母さんとかにも」
「はい」
 君の答えは全て「はい」だったよね。でもそれが、本心から発せられたものか、怯えて出たものかわからなかった。だから、きちんと口に出して言わせた。
「じゃあ、言って。誰にも言いません、って」
「誰にも言いません」
「約束だよね」
「はい。約束です」
 そして、私は君を抱きしめた。君の手もまた、私の背中を包んだ。

 私たちは、約束を守った。
 不思議と不安はなかった。
 君を信じていた、と言えば格好いいのかもしれない。私たちは信頼し合っている。実際、幼心にそんな風に感じていたとは思う。でも実際は、疑うということ自体、当時の私には考えられなかっただけなのかもしれない。それも、今となってはわからない。ただ――
「今日も言いませんでした」
 それから毎日、放課後になるとそう私に報告に来る君を、本当に愛しいと思った。
「よくできました」
 そう答えて頭を撫でる。そして校舎の裏で、いつものサインをお互いに送り合う。ただそれだけの関係だったね。


 初恋でした。
 君を想い綴った、君だけには見られたくない手紙です。



END

Back | Novel index | Next
コメント
この記事へのコメント
感動いたしました。
2人の主従関係がとても良いですね。あこがれます。
2009/11/29(日) 11:27 | URL | ひらき #-[ 編集]
こんにちは。
いつも書き込み、ありがとうございます。
語り手は、内面から突き上げる衝動の正体もわからぬまま、そこに身を委ねています。
おそらく、相手の彼も、また然り。
自覚がないのです。それでも、お互いを求めている。
これも、「主従関係のひとつの形」と言えるのかもしれませんね。
憧れを感じていただけて嬉しいです。
2009/11/30(月) 13:03 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。