[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 派手な電飾看板とは裏腹に、店内は実に質素なものだった。
「いらっしゃいませ!」
 軽快に響く威勢の良い声が、今の俺には少し鬱陶しく思えた。
「お一人様ですか?」
 バイトらしき若い女の店員が、張り切って声をかけてくる。俺は虫の居所が悪かった。
「……見りゃわかるだろ。一人じゃ悪いのか?」
「あ、いえ。決してそのような――」
「じゃあ、一匹にでも見えたのか?」
「と、とんでもないです。あの、お席へご案内します」
 うわべを飾った笑顔の奥から、戸惑いと嫌悪感が透けて見える。俺は鼻で笑い、後に続いた。
 名も知らぬウィスキーを、ロックで何杯も仰ぐ。不味い。それでも注文を繰り返し、その都度、喉に流し込むようにグラスを傾け続ける。とにかく全てを忘れたかった。
 どれだけの時間そこに腰を落ち着けていたのか、見当もつかない。
 気付けば、店にいた客のほとんどが姿を消していた。先ほど俺を案内した女の店員が、閉店の旨を伝えに来る。決して居心地の良い店だと思っていたわけではなかったが、俺は従う気にはなれなかった。
「……出たくねぇんだよ」
「ですが、そういうわけには……」
「金は、後でちゃんと払うからよ」
「すみませんが、営業時間が決まっておりまして」
「……お前も、俺に、指図するのか?」
「いえ、決してそのような――」
「いちいちうるせぇ女だな!」
 感情に任せてグラスを床に叩きつける。――破裂音。同時に響く、悲鳴とざわめき。それらは、とても遠くから聞こえた。激情に駆られた俺は、
「そんなに俺が邪魔かよ。あ?」
 席を立ち、女店員の胸座を掴み上げる。女の表情は、見る間に恐怖の色を湛えていった。
 その時――
「……女に暴力をふるうのが、宇崎さんの言ってた男らしさ?」
 聞き覚えのある、落ち着いた声が背後から聞こえた。
 腕をぐいと捻り上げられ、悲鳴を上げる。振り返ると、シャギーの茶髪がまず目に入った。切れ長の目に薄めの唇。そこにあったのは、元同僚の日野の顔だった。動揺する俺を横目でじっと見る。その眼差しからは、俺に対する明らかな軽蔑の念が窺えた。
 日野は何枚かの札を店員に渡し、頭を下げた。それから俺を、無理矢理、店の外へと引きずり出す。俺には為す術がなかった。彼女は俺の身体を、路上にドンと押し出す。そして――
「ぐほおぉっ!!」
 俺の腹を拳で突き上げた。
 内部にまで響く衝撃に、俺はたまらず地面に横たわる。呼吸ができない。彼女はさらにパンプスの爪先で俺の腹に追撃を加え、そのままグリグリと内部を抉った。
 俺は堪えきれず、胃の内容物を勢いよく路上にぶちまけた。

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