[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 痛いほどの視線を感じる。
 百人だろうか? それとも千人? もしかしたら一万人以上かもしれない。
 煌々と光るPC画面が、闇に包まれた部屋を四角く切り取っていた。光の中に映し出されたタイトル文字をあらためて見返し、僕は薄く笑った。

『今年のクリスマスは中止になりました』

 毎年、この手のネタから人が消え去ることはない。
 ここは愛すべき馬鹿たちの巣窟だ。淋しがりで、臆病で、自信がなくて、悪ノリが好きで――。女の品評には煩いくせに、リアルの女には近付くことさえできない。もちろん、僕も同類だけどね。好きでこんな場所にいるんだから。ただ違うのは、僕が「その他大勢」ではないということだけ。
 ――さしずめ、僕は馬鹿の代表ってところか。
 自嘲する。目まぐるしく流れていく書き込みを見ながら、僕は熱いコーヒーを喉へと注いだ。
 ――馬鹿で大いに結構。僕はこの場所で、こいつらを笑顔にさせることができるのだから。
 ここにいる全ての人間が今、僕に注目している。ここにいる全ての人間が、僕が今ここにいることを悦び、僕に期待している。そして、こいつらはあと数秒後には、僕を崇め、尊敬することになる。
 この集団を動かすのは、僕の右手の人差し指一本。そう。僕はこの指先ひとつで集団を動かすことができる存在なのだ。
 僕の思い描いていた世界が、今ここにある。頬と口元が自然と緩んでくる。
 ――愛すべき馬鹿どもに餌をやるのも、僕の務めだ。
 右手の人差し指でマウスを叩くと同時に、想像通りの反響があった。

『ネ申』

 その書き込みは、僕に相応しい称号だと思った。しばし愉悦に浸る。
 羅列されていく賛辞の数々を読み流しながら、僕は次の画像アップロードの準備を始めた。
 その時、ひとつの書き込みが目に留まる。

『ツマンネ』

 ……どこにでもいる荒らしだ。別に珍しいことじゃない。人気者には、必ずアンチが付き纏う。それもまた神の宿命だ。こいつだって、興味がなければわざわざこんなところには来ないのだから。「出る杭は打たれる」とはよく言ったものだ。でも……
 ウザいクレ厨か? それとも他のうp主か?
 クレ厨は、こと好みに関しては滅法うるさい。趣味じゃない――それだけで文句を垂れる。そのくせ、自分では何もしない。
 他のうp主は、プライドが高い。妙な対抗意識をもっているから、嫉妬心も相当なものだ。クオリティの高さが疎ましいから、アラ探しに躍起になる。恥ずかしげもなくこんな書き込みをしたとしても不思議ではない。
 どちらにせよ、放っておけばいい。だがやはり、…………癪だった。

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