[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 悠馬は驚いた。
 ごく平凡な音のインターホンが家中を包む。悠馬が何度も聞いてきた音だ。決して不快な音ではない。彼が特別、音に敏感な体質であるわけでもなければ、そういった精神状態にあるわけでもない。しかし、彼はその音を聞くと緊張してしまう。
 悠馬にとってのそれは、来訪者がドアの向こうにいることを告げるものに他ならない。
 その音が鳴ると、決まって祖父は「はい」と答え、ドアへと歩を進める。ドアを開けると、祖父の知人か、あるいは見知らぬ人が現れる。悠馬にとっては、そういったありふれたことが苦痛であり、緊張のもとだった。
 要するに、人見知りなのだ。
 今日はどんな声が聞こえてくるのか。女性の優しい声かもしれないし、男性の怖い声かもしれない。知らない人かもしれないし、ひょっとしたら挨拶をさせられるような人かもしれない。
 いずれにしても、祖父が来訪者の対応をしている間、悠馬はいつも不安に駆られてしまう。
 いっそのこと居眠りをしているふりでもしていればよさそうなものだが、悠馬はそうしない。単にそういった知恵がないのだ。しかし無視することもできない。誰が来たのかも気になってしまう。
 悠馬は居間で身体を固くしたまま、静かに耳をそばだてた。
 いつもの如く、ガラガラと玄関のドアが開かれる音がした。
 間もなく聞こえてきたのは、穏やかな女性の声と、兄の声だった。外出していた兄の声が混じっていたことで、悠馬は少し安堵する。
 挨拶が済んだかと思うと、すぐに話の内容が聞こえてきた。
 悠馬は少し開いた居間のふすまの陰に隠れ、その会話を黙って聞いていた。

「それはどうも。お世話になりました」
「いえ、大したことじゃないので。でも、一人でコンビニにおつかいなんて、偉いですね」
「恐縮です。本当なら私が行ければいいんですがね。この歳になると身体がねぇ……」
「そうですか。確かにここからだと遠いかも。それで、いつもこの子が助けてくれてるんですね?」
「まぁ、そんなとこです。でも、親切な方がいてくれてよかった。怜治、ちゃんとお礼を言いなさい」
「あ、もう十分言ってくれましたから。本当にしっかりしたお孫さんで」

 悠馬は、居間のふすまの隙間から、そっと顔を覗かせる。好奇心からだった。しかし、玄関から自分の姿が見えないように気を遣うことは忘れない。
 すぐに、来訪者の姿が悠馬の目に入った。女性だ。彼女は今まさに靴を脱いでいる最中だった。
 かなり明るく染められた髪は腰の辺りまで伸びていた。下を向いていた女性の髪を、外の風がなびかせる。女性はその髪をかきあげ、すっと顔を上げた。
 十代くらいの若い女性だった。目鼻立ちの整った大人びた顔立ちだ。切れ長の目と、艶やかな唇が、色香を醸し出している。ベージュのコートを脱ぐと、女性の紺のセーラー服姿が顕わになった。黒いソックスは、膝下までを覆っていた。
 無論、悠馬の目には、彼女は「若い女性」ではなく「綺麗なお姉さん」として映っていたわけだが。

Back | Novel index | Next
コメント
この記事へのコメント
「彼女こそが世界」以来の少年ものですね!「子どもが見た目の前の惨劇」の展開に期待大です。
おそらく今作品の生贄は怜治(10~12歳くらいかな?)だと思いますが、弟の悠馬くんにも残酷な運命が待っていると嬉しいです!!
2008/11/29(土) 18:32 | URL | 名無し #-[ 編集]
いらっしゃいませ。
こんばんは。コメントありがとうございます。いつもご覧いただいているんですね。嬉しいです。
「彼女こそが世界」――タイトルまで覚えてくださっているなんて、すごく光栄です。
傾向は少し違うかもしれませんが、「手紙」などもそういった類のものかもしれません。
ちなみに、こういった作品については、人物の年齢を意図的に伏せています。(このご時世ですので・苦笑)
作品は完成してから掲載しています。運命は連載開始と同時に決まっている、ということになりますでしょうか。
今回の人物たちの迎える結末やいかに――? 今後の展開をお楽しみいただければ幸いです。
2008/11/30(日) 00:06 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。