[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 震えが止まらなかった。
 もちろん、寒さのせいなどではない。何よりの証拠は、僕の全身から滲み出る汗だった。
 しかし、女王様は話題を逸らしてはくれない。毅然とした態度で、
「言わなきゃいけないことは?」
 と再度、僕を問い詰める。女王様の瞳が、揺らぐことのない強い意志を如実に物語っていた。
 ――僕には……奴隷にも、ペットにも……なる資格なんてない。
 鼻の奥の辺りにツンとした刺激を感じる。
 首吊り台は、既に女王様によって用意された。後は、僕が……台から足を放すだけ――
 僕は覚悟を決め、目を閉じた。大きく深呼吸をした後で、喉の奥から声をふり絞った。
「い、今まで……、ありがとうござ……ぐはああぁっ!」
 一際強烈な衝撃を腹に受け、僕の決死の言葉は途中で切られた。喉元に酸っぱいものが込み上げてくる。女王様の意図がわからず、戸惑いを隠すことができない。
 目を開けると、女王様の端正な顔が目前に見えた。怒りとも、悲しみとも、諦めともつかない複雑な表情だった。
「それは誰の意志なの?」
 女王様の言葉に虚をつかれ、僕は吐き気を堪えながら考え込む。
「誰が決めたの? 誰の命令?」
 再び重ねられた女王様の言葉に、僕は困惑する。
 当然の報いだと思っていた。訣別という名の地獄。それが、僕には一番ふさわしいと感じていた。でも、それを決めたのは? それを命じたのは――?
 そう自問した時、僕はあらためて自分の愚かさに気付いた。
 ――それを決め、命じたのは、……他ならぬ、僕自身だ。
 再び、何度も蹴りを加えられる。女王様の瞳は少し寂しそうに見えた。項垂れる僕に対し、
「あなたが従うのは、誰?」
 と、問う。僕の口は反射的に「女王様です」と答えていた。僕が従うのは、女王様ただ一人。失敗から逃げるのは僕の我侭だ。決して女王様の意志ではない。それなら、女王様が求めているのは……
 そう考えた時、今、自分が言うべき言葉がはっきりとわかった気がした。女王様の瞳をしっかりと見ながら、僕は、
「本当に、申し訳ありませんでした」
 と、涙声を絞り出した。掠れた酷い声だ。しかし女王様は真剣に僕の瞳を見つめていた。女王様は、口元にうっすらと笑みを湛えると、静かに口を開いた。
「捨てるくらいなら、お仕置きなんてしに来ないよ」
 女王様の蹴りが臀部に入る。それはとても軽いものだった。
 僕は泣いた。恥ずかしげもなく、大声で、ただただ泣いた。

 
 ポルシェのエンジン音が、再び鳴り響いた。
 女王様は僕に目を向けることなく、その場を去っていった。音が遠ざかっていく。
 僕はその方向をしばらく見つめていた。やがて見えなくなった車に向かって、僕は深々と頭を下げた。
 誠実な反省。
 自分のするべきことがわかった今、僕から迷いは消えていた。
 女王様はまたここに戻って来られる。心から、そう信じることができた。

 ――お待ちしております。僕の女王様。



END

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コメント
この記事へのコメント
>「あなたが従うのは、誰?」

もちろん、梨央様❤です(・∀・)!……厚かましこと申し上げて、本当に本当にごめんなさい(^_^;)。
2016/02/11(木) 21:35 | URL | 名無し #-[ 編集]
ごめんなさい!名前忘れてました(^_^;)。
2016/02/11(木) 21:41 | URL | 次郎 #-[ 編集]
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