[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 ステーキの良い香りが鼻腔をくすぐり始めた。
 ポトフは未だ弱火を当てられたまま、グツグツと煮立っている。浮き沈みを繰り返す肉片から赤い液体が染み出し、鍋に溶け込んでいく。徐々に赤みがかっていくスープを見ながら、二人はまた微笑み合った。
「ミナトくん……いい?」
 相変わらずマイは言葉足らずだが、ミナトは彼女の要求を察するのが早い。鍋の取っ手を持った彼女の身体を胸元に抱き寄せながら、彼は右手を鍋へと伸ばす。そして、バツが悪そうに、その包帯だらけの手を引っ込める。それを見て、マイが笑う。
「忘れっぽいのね。そんなとこもステキ!」
「そりゃどうも」
 苦笑しながら、ミナトは反対の手をまな板の上に置く。少し短くなった小指の先端には、絆創膏が貼られていた。彼はそれを手際よく剥がし、念入りに水で洗う。
「雑菌が入るといけないからね」
 ミナトはそう言いながら、あらためて左手を伸ばした。手首まで鍋に浸かった彼の手が、みるみるうちに赤みを帯びてくる。マイの瞳は潤み、煌いていた。「ありがとう」と小さく囁いた彼女の声は、おそらくミナトには届いていない。
「そうだな。ソーセージ、人参、キャベツ。……うん、どれも頃合いだね」
「ありがと。じゃあ、完成だね!」
 そう言って、マイは火を止めた。
 鍋から抜かれたミナトの手は、真っ赤に茹で上がっていた。所々に白く小さな火脹れが出来上がってきている。彼は居間から裁縫箱を取り出してくると、中から針を取り出し、それを潰していった。
 マイは料理の盛り付けを終え、部屋のテーブルに食事を運ぶ。それから、再びミナトに抱きついて甘え始めた。彼の胸に頬を摺り寄せながら、精一杯じゃれている、といった風だ。
「ミナトくん。今日も手伝ってくれてありがと」
「いや、当然のことだよ。いつもありがとな」
 そう言ってミナトはまた、ひとつの火脹れを潰す。
「それ、私もやりたい!」
 彼女がそう口にするのを予期していたかのように、ミナトは速やかに針を手渡した。
「マイは器用だからな。頼むよ」
「うん」
 と、マイが空返事をする。嬉々とした表情で、彼女はミナトの白い火脹れだけを凝視していた。
 プチンという音とともに、ミナトの手から汁が噴き出る。針は見事にミナトの肌を貫き、深々と皮膚に突き刺さっていた。血液が零れる。それでもなお、針の先端はグリグリと皮膚の内部を抉っていく。ひとつ見つけ、またひとつ見つけ――。彼女は無邪気な顔で、お手伝いを続けた。
 一通り潰し終わると、マイは、
「これでどうかな? ミナトくん」
 と満足そうな声を上げ、その針を彼に返した。ミナトはそんな彼女を温かい瞳で見つめながら、
「ありがとな」
 と声をかけ、再びその身体を抱擁した。

Back | Novel index | Next
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。