[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 静かな時間が、二人の間をゆっくりと流れていった。
 次第に傾いていく陽射が、彼らに様々な色彩を与えていく。
「……マイ」
「ミナト……くん」
 唇が重なり、二人は愛欲に溺れていった。
 言葉はない。そこには二人だけの時間と空間が広がっていた。世界が二人を抱擁していた。
 やがて太陽は、その身を地平線の向こう側へと隠していった。


 夕食の準備をしながら、マイはちらりとミナトを見る。
「あの……ミナトくん」
「ん? あぁ、そっか」
 マイの声色と様子を見ただけで、ミナトはすっと立ち上がった。居間からキッチンへと足を運び、彼女の身体を後ろからひしと抱きしめる。自分の頬を彼女の頬にそっと寄せる。
「寂しかった? ごめんな」
 そう言って、ミナトは右手をまな板の上に差し出した。その時、自分の手に包帯が巻かれているのを見て、彼は苦笑する。その手を引っ込め、反対の手をまな板の上に置く。マイもまた、そんな彼の様子を見てくすりと微笑んだ。
 ミナトは、片手でマイを抱擁したまま、
「今日は?」
 と声をかける。彼女は、
「ステーキ、アンド、ポトフだぞぉ。期待してよね!」
 と、溌剌とした口調で答えた。ミナトはさらに、マイを力強く抱きしめ、
「それは楽しみだ。じゃあ――」
 と言葉を切り、彼女の手を優しく撫でる。包丁を持った彼女の手がピクリと反応する。
「……隠し味、だね」
 ミナトはそう言葉を重ねた。まな板の上に乗せた左手を握り、小指だけを立てる。マイは彼の左手にそっと自分の手を添えると、その小指の先に包丁を宛がった。彼女が微笑みながら、口を開く。
「ミナトくん。ホントに、優しい人」
「俺が側にいたいからだよ」
「ううん。そうじゃなくて……。味付けのことまで――」
「――考えて当然。男は台所に立つな、なんて時代はもう終わったんだよ」
 二人は笑い合った。
 マイは包丁を持つ手にぐいと力を込め、刃先でミナトの指先の皮膚を削っていった。徐々に血が溢れ、彼の手を赤く彩っていく。マイの手もまた、ミナトの左指から溢れる血で染まっていく。
 必死の形相を湛えるマイを微笑ましく見守りながら、ミナトは優しく言葉をかける。
「まだうまくならないね。そんなとこも可愛いよ」
「……ごめんね。もう少し」
「うん」
 ミナトが返事をした瞬間、鮮血がほとばしる。彼の小指の先端がコロリと落ちた。

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