[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 かくして男は、左手に加え、両目をも失った。当然、右手も無傷ではない。
 崩壊寸前にある今の男の頭には「希望」という文字など浮かびもしないであろう。
 男の目にはもはや、ほのかに閃き続ける人工光も届かない。ただでさえ、力の差は歴然だったのだ。目から光を失ってしまっては、女性からイヤリングを奪うことなど到底できそうもない。
 もちろん、義手・義眼など、現在の医療制度をもってすれば、男の治療は容易なことである。ただそれは、ここを生き延びられさえすれば――つまり、女性のイヤリングを奪えさえすれば、の話だが。
 男は床の上に身を横たえていた。生きていることだけはわかる。その様子はまさに、生ける屍のようだった。感情が見えない。そもそも、何かを感じているのかすらもわからない。言葉を発することもなければ、身体を動かそうとする様子もない。ただ、かすかな呼吸の音だけが、彼が生きているということの唯一の証明だった。
 今の男は、まさに死を待つ者でしかなかった。
 対する女性は男の方を見ることもなく、返り血で赤く染まった身を優雅に動かしていた。まるで、男の存在自体を忘れてしまったかのような振る舞いだ。
 特に何かをする風でもなく、そうかと言って退屈している様子でもない。
 ただ、目的が見えない。自由に地下室を歩き回っているのだ。
 時々、息を大きく吸い込んでは恍惚にも似た表情を浮かべている。血の匂いに酔い痴れているのであろうか。そんな異様な光景の中で、時間だけが流れていった。
「ねぇ」
 と、唐突に女性が口を開く。しかし、男は何の反応も示さない。
 もしかしたら男は、死の時刻がようやく訪れたと思い、それを悦んでいるのかもしれない。もちろん、男の様子からはそういった感情は全く読み取れないが。しかし、女性がさらに、
「早くしてよ」
 と静かに言葉を重ねたことで、男はわずかな反応を見せた。足の指先が動く。汗が額にじわりと滲む。女性はそこでようやく男に目を向け、彼を中心に弧を描くように歩き回った。そして、
「足は動くし……まだ片手も使えるよね……」
 と、ポツリと呟く。男の呼吸が乱れる。
 やがて女性はピタリと足を止め、意味深な笑みを零す。その視線は、今や男をしっかりと捉えていた。
 男は相変わらず動きを見せない。思考力があるのかすらわからない。したがって、女性の言葉の意味するところを理解しているのかもわからない。しかし男は、確実に女性の言葉に反応している。男の耳に、女性の声が届いていることだけは明らかだった。
 女性はじっと男を見据えながら「知ってるよね?」と前置きした後で、
「鬼ごっこは、自分が捕まったら鬼になる。相手を捕まえたら、相手が鬼になる。その繰り返し」
 と、言葉を紡ぐ。男は横たわったままだ。
「つまり、この遊びに終わりはないの」
 女性の声に反応するかのように、男の呼吸がにわかに荒くなっていく。額の汗が塊となって床に落ちる。言葉はなくとも、それが彼の冷汗三斗の思いを如実に物語っていた。
「……永遠に続く。そういう遊びなんだよ」
 語りかけた女性の口元に、冷やかな笑みが浮かぶ。
 少し間を置いてから、女性は深く息を吸い込んだ。瞳に凛とした輝きが宿る。そして、強く厳しい口調で、
「立ちなさい!」
 と、言い放った。それに呼応するように、男の身体がビクッと大きく跳ねる。女性が再度、
「立て!!」
 と命令した時、男はその身体をゆっくりと持ち上げた。ふらつく足取りで、ゆらりと身をなびかせて。
 まるで、行き場がわからずに彷徨う、亡者の霊のように――

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コメント
この記事へのコメント
こんばんわ。ただいまもどりました。じつにすばらしい展開に私の息子も、大喜びです。マニキュアの綺麗な指と綺麗な脚を包むブーツのヒールが男の両目を壊すととは。いったいこれ以上どんな苦痛を与えるのか、また観客は、この男がどうなれば満足するのか、まさに閻魔様も真っ青です。ところで旅行期間は興奮話はなかったが、ニーソやサイハイソックスを履く女性が目立ってきたのがじつに良い。特に旅先ではまだ小学4.5年生程度の女の子が道端で腿の上の方まで靴下をたくし上げる姿はマニアには、最高。いったいあれは、母親が買ってきて娘に履かせるのか、それとも本人が気に入って母親に買ってもらうのか、本人に聞いてみたい。誰もみていなければ間違いなく脚をさするだろう。それでは、この後も楽しみにしていますので。失礼します。
2008/10/14(火) 18:29 | URL | でぶ #-[ 編集]
おかえりなさいませ。
こんばんは。あの……旅行先でも観点が……。でぶさん、もっと純粋に楽しんでください(汗)
特に児童への悪戯などは絶対にいけませんよ! どうか自制してくださいね。人生も終わりますし(笑)
お陰様で本作も、本日をもって連載を完結することができました。どうもありがとうございました。
連載中の多くのコメントには、大変励まされました。楽しんでいただけていれば幸いです。
お疲れの中でのご来訪、ご感想、本当に感謝しています。今後も、どうぞよろしくお願いいたします。
2008/10/15(水) 02:29 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
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