[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 男を見下ろしながら、女性は膝を持ち上げていた。ピンヒールの先が男の首筋を捉えている。
 しかし男は抵抗しなかった。正確に言えば、抵抗できなかったのだろう。彼はその身体を痙攣させながら、しきりに吐瀉を続けていた。
「この足を下ろしたら……おしまいね」
 女性が舐めるような声で語りかける。しかしその時には、既に男は反応を示さなかった。どうやら気を失ってしまったようだ。微動だにしない男を見ながら、女性はその表情を引き締める。その時、女性はその視線を胸元へと移動した。両胸に挟まれた無線通信機が振動を始めたからである。先ほど担当官から預けられた、小さなイヤホン型の物だ。
 女性は呆れたような表情で、ふっと息を吐く。
 男の首筋を捉えていたピンヒールの先が焦点を変え、ゆっくりと床へ下ろされた。
 女性は胸元に手を忍ばせて通信機を取り出すと、右耳にそれを取り付けた。
「……うん。所詮、男だから。もう限界だよ」
 女性の声だけが、地下室の静寂を破る。ちらりと男に目線を送り、くるりと背を向ける。そして、再び通信機の向こう側に語り続ける。
「え? 急な話ね……」
「……まぁ、ある程度はね――」
 女性がイヤホンを通して会話を続ける。地下室に女性の声だけが響く。その間に、閉じられていた男の瞳がわずかに開く。意識を取り戻したのだろう。呼吸の乱れも少しずつ治まってきているようだった。しかし身体が動かないのか、彼はうつ伏せの体勢のままでいる。
 男は女性のやり取りに気付いたのか、視線だけを女性に向ける。もちろん彼には、その通信機の向こう側に何があるのかまでは知る由もない。彼は深呼吸をし、女性の様子を観察しながら、ただ聞くともなしにその声に耳を傾けていた。女性はそれに気付かず、話を続ける。
「それも面白いかもしれないけど」
「……不満って、……あんたたちって、ホント勝手よね」
「わかった。とにかく一回、処置してみる」
 そこまで話し終えると、女性は小型イヤホンを耳から外し、再び胸元へと押し込んだ。大きなため息をひとつ零し、男の方へとふり返る。男の視線はまっすぐに女性の瞳を捉えていた。女性は驚いたようにピクリと身体を反応させ、やがてくすっと笑った。
「失神しちゃったと思ってたのに。聞いてたのね」
 落ち着いた声だった。男はそれに答えず、伏せた体勢のままでいる。女性は脚を高く振り上げ、
「怖いでしょ? 逃げなよ」
 と、さらに声をかける。しかし、男は依然として動かない。虚ろな瞳をその目に湛え、声を絞る。
「……身体が、動かないんだ」
「殺されてもいいの?」
「逃げても……殺すんだろ?」
「んー。でも、それじゃ困るんだよね」
 そう言って女性は苦笑する。男が怪訝な表情を浮かべる。女性はしばし何かを考える素振りを見せた後、
「じゃあ、助けてあげようか?」
 と、明るい声を出した。足を再び床へと下ろし、男の傍らにしゃがみ込む。
 男の目が大きく見開かれた。

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