[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 この地下室は、巨大官営施設ガーディアンセンター深部の一角に位置していた。
 目的は罪人の処刑である。しかし、その存在は明らかにされていない。センターに居住する人間をいたずらに不安に陥れたり、精神を不安定にさせたりする状態は好ましくないからだと、センター職員には説明されていた。


 男はセンターからの脱走を企て、実行した罪によって処刑対象者となった。犯行現場をセンター警備員に見られたのだ。当然、捕まった彼に弁明の余地があったはずもない。罪人とされ、間もなくセンターからの処分命令が下った。命令書には『罪人"D-EAD-5502"を籠の中のゴキブリの刑に処す』と明記されていた。
 男が地下室に連れて来られた時には、身に着けた衣類は全て剥がされていた。後ろ手に手錠をかけられ、担当官二人に両脇を固められての連行だった。地下室に男が蹴り入れられる。そこは、全面を白で覆われた、狭い閉鎖空間だった。その中にはただ一人の人間が、黙ってこちらを向いて立っていた。
 切れ長の目が特徴的な、見事なアジアンビューティーの姿がそこにあった。セミロングの黒髪は絹糸のように繊細で艶やかだ。唇の紅が、その美貌をさらに際立たせていた。左耳につけた煌びやかなイヤリングが輝いている。身に着けた白を基調としたビスチェは豪奢なレースで飾られ、黒のリボンが胸元のアクセントになっていた。黒のスカートは短く、キメの細かい柔らかそうな太腿を惜しげもなく晒している。漆黒のピンヒールブーツが、爪先から膝までをすっぽりと覆っていた。
 紛れもなく、それは女性だった。
 男はその姿を目の当たりにすると同時に、ハッと息を吸った。目を丸くし、ゴクリと唾を嚥下する。一歩、後ずさったところを、担当官にぐいと押し戻される。女性を目の前にした彼の顔には、動揺の色がはっきりと浮かんでいた。
 女性は一歩前に足を踏み出し、
「あなた。脱走を謀ったそうね」
 と、穏やかな口調で声をかける。口篭る男の背中を担当官がドンと張ると、彼は「あぁ」とぶっきらぼうな返答をする。その態度を見た担当官は目尻を吊り上げ、再び手を振り上げる。しかし、今度は女性が、手で合図のようなものを送ってそれを制する。
「ごくろうさま。後はこちらで……」
 女性がそう言ったのを機に、担当官二人は同時に敬礼する。そして一人が、
「処罰規定により、モニター監視はつきません。非常時にはこれを」
 と言って、イヤホン型の小さな無線通信機を差し出す。女性は無言のままそれを受け取り、無雑作に胸の谷間に押し込む。それを確認すると、二人は再び敬礼し、地下室を後にした。
 静かな地下室に、カチッという非情な電子ロックの音が鳴り響いた。

 
 男が今まさに地下室にいるという事実は、センター居住者の誰一人として知る由もなかった。当然、今その場所で何が行われようとしているのかなど、想像できたはずもない。
 かくして男は、人知れず、救いのない鬼ごっこを始めることとなった。

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