{
2008/09/05(金) }
物事がはっきり見えるようになった。それは良い事なのか、悪い事なのか。
気分がいいと感じた。パッと目の前が明るくなった気がした。夫が側にいることに気付けた。季節による自然の移り変わりがわかった。感情を動かすことの悦びを実感できた。
周りはそれを「心の健康」と呼んだ。
でも、時が経ち、それすらも偶像だとわかった。
空はもはや真っ黒だ。緑なんてどこにもない。季節なんてない。感動は心を乱されるのと同じことだ。家事は私を追い詰めるもの。何より、そのきっかけとなった夫の存在が嫌で嫌で仕方がない。
残ったのは、何? 今の私には、ただ煩わしい、嫌な現実しか見えない。
世界は決して変わったわけではないのだろう。
私の精神や心持ちは変わったと思う。悪い方へ、悪い方へ……
でも、それ自体、何の意味ももたないのだ。
そこに気付くのが遅すぎた。
全てはどうでもいいこと。
私が何を考えようと、何をしようと、何も変わることはない。
もちろん、私が生きていようが死んでいようが、世の中には何の支障もない。
私の夫もまた然り。
彼が生きていようが死んでいようが、世の中には何の支障もない。
そう。もちろんあそこにいる子どもも、その親も、若者も、老人も……そしてあなたもね。
あなたが生きていようが死んでいようが、世の中には何の支障もない。
例え今ここで、目の前にいるこの醜悪な物体に、私がナイフを突きつけようとも……
それはどうでもいいこと。
全てはどうでもいいこと。
試しに、いつの間にか手にしていたこの光るモノを、振り下ろしてみることにする。
……何かが私に降り注いでる。何かはわからないし、別にそれに興味もない。
見ているけど、見えない。感じているけど、感じていない。
所詮はそんなもの。そんなもの。
きっと わらわれるとおもいます
でも それが わたしのりかいしていることのすべてです
わたしが そのとき なにをもち なにをかんがえて だれを どうした
そんなむずかしいことはわかりません まったくわかりません
ただわかるのは なにごとも ただすぎていくということだけです
END
Back | Novel index | Next
気分がいいと感じた。パッと目の前が明るくなった気がした。夫が側にいることに気付けた。季節による自然の移り変わりがわかった。感情を動かすことの悦びを実感できた。
周りはそれを「心の健康」と呼んだ。
でも、時が経ち、それすらも偶像だとわかった。
空はもはや真っ黒だ。緑なんてどこにもない。季節なんてない。感動は心を乱されるのと同じことだ。家事は私を追い詰めるもの。何より、そのきっかけとなった夫の存在が嫌で嫌で仕方がない。
残ったのは、何? 今の私には、ただ煩わしい、嫌な現実しか見えない。
世界は決して変わったわけではないのだろう。
私の精神や心持ちは変わったと思う。悪い方へ、悪い方へ……
でも、それ自体、何の意味ももたないのだ。
そこに気付くのが遅すぎた。
全てはどうでもいいこと。
私が何を考えようと、何をしようと、何も変わることはない。
もちろん、私が生きていようが死んでいようが、世の中には何の支障もない。
私の夫もまた然り。
彼が生きていようが死んでいようが、世の中には何の支障もない。
そう。もちろんあそこにいる子どもも、その親も、若者も、老人も……そしてあなたもね。
あなたが生きていようが死んでいようが、世の中には何の支障もない。
例え今ここで、目の前にいるこの醜悪な物体に、私がナイフを突きつけようとも……
それはどうでもいいこと。
全てはどうでもいいこと。
試しに、いつの間にか手にしていたこの光るモノを、振り下ろしてみることにする。
……何かが私に降り注いでる。何かはわからないし、別にそれに興味もない。
見ているけど、見えない。感じているけど、感じていない。
所詮はそんなもの。そんなもの。
きっと わらわれるとおもいます
でも それが わたしのりかいしていることのすべてです
わたしが そのとき なにをもち なにをかんがえて だれを どうした
そんなむずかしいことはわかりません まったくわかりません
ただわかるのは なにごとも ただすぎていくということだけです
END
Back | Novel index | Next

