{
2007/03/07(水) }
――「本当の瞬間はいつも死ぬほど怖い」と、どこぞのミュージシャンが言ってた。
無情にもその瞬間はこんな風に、突然訪れるものなのかもしれない。
当然、来ることが分かっていたとしても……
「へー、ちゃんと来たんだね、三人とも。」
体育館の扉を開けて入ってきたのは優美子であった。
長い脚を強調するミニスカート。夏服の制服姿。色気を感じさせる声。
百七十センチはあろうかと思われる身長。見るものを虜にする恐ろしいほどの美貌。
豊満なバスト……健康的な肌……吸い込まれるような魅力を感じさせる瞳……
美人女子高生。
そう、ただそれだけで十分だったはずだ……お前は何を見ている?
なぜ男を……あんな目に……
獲物? 奴隷? 征服欲? 支配欲? 何を感じて? 何を求めて?
……目の前にいる美しい女性の存在と数々の恐怖を重ね合わせ、俺の頭は混乱し、夢見心地でただ、その姿に見とれてしまっている自分がいた。
「私に決闘を申し込むなんて、いい度胸してるじゃない。」
優美子は余裕の表情でそう言い放った。
その瞬間俺は我に返った。……もう幕は開いているのだ。
そう感じた瞬間、それまでとは違った強い意志が俺の中に甦ってきた。
「要求はただ一つ。俺たちに人権を返してくれ。」
口火を切ったのは小倉だった。
――おかしな話だ……
日本社会の下で、もともと生まれながらにして持っていると憲法上明言されているはずのものを、同じクラスの女に返してほしいと要求していることも、そしてその言葉に少しも不自然さを感じないくらいに、俺たちの学校生活が脅かされていることも……
――おかしな話だ!
Back | Novel index | Next
無情にもその瞬間はこんな風に、突然訪れるものなのかもしれない。
当然、来ることが分かっていたとしても……
「へー、ちゃんと来たんだね、三人とも。」
体育館の扉を開けて入ってきたのは優美子であった。
長い脚を強調するミニスカート。夏服の制服姿。色気を感じさせる声。
百七十センチはあろうかと思われる身長。見るものを虜にする恐ろしいほどの美貌。
豊満なバスト……健康的な肌……吸い込まれるような魅力を感じさせる瞳……
美人女子高生。
そう、ただそれだけで十分だったはずだ……お前は何を見ている?
なぜ男を……あんな目に……
獲物? 奴隷? 征服欲? 支配欲? 何を感じて? 何を求めて?
……目の前にいる美しい女性の存在と数々の恐怖を重ね合わせ、俺の頭は混乱し、夢見心地でただ、その姿に見とれてしまっている自分がいた。
「私に決闘を申し込むなんて、いい度胸してるじゃない。」
優美子は余裕の表情でそう言い放った。
その瞬間俺は我に返った。……もう幕は開いているのだ。
そう感じた瞬間、それまでとは違った強い意志が俺の中に甦ってきた。
「要求はただ一つ。俺たちに人権を返してくれ。」
口火を切ったのは小倉だった。
――おかしな話だ……
日本社会の下で、もともと生まれながらにして持っていると憲法上明言されているはずのものを、同じクラスの女に返してほしいと要求していることも、そしてその言葉に少しも不自然さを感じないくらいに、俺たちの学校生活が脅かされていることも……
――おかしな話だ!
Back | Novel index | Next

