[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 その日から、私は家事を頑張るようになった。
 掃除、洗濯、ゴミ出し、食器洗い。でも、ひとつが終わるとひとつが気になる。どうしても終わらない。終わらない。終わらない。終わらない……
 空なんてもう、あるのかないのかすらわからない。正直、どうでもよくなってきた。

 今日も家事。次の日も家事。その次の日も。次も……次も……
 でも、夫の顔がなぜか気持ち悪い。顔色はいいはずなのに、気持ち悪い。
 気分が悪い。私は嘔吐した。背中を擦る彼の手が不気味に思えた。

 家事が辛い。辛い。辛い。でも、夫が治るためには必要だと思った。
 でも、帰宅した彼は、顔色はいいが、どこか崩れている。私は再び嘔吐する。
 私を心配する彼がますます汚らわしい。――空? 何それ?

 家事、家事、家事、家事、家事……
 そもそも私は、あんなに気持ち悪くなった夫のために、どうしてこんなことをしているのか。
 もしかしたら、最初から夫はあんな顔だったのかもしれない。
 大体、忙しかった頃は、夫の顔どころか、存在自体見ていなかった気がするから。

 夫が煩わしい。
 私の体調を気にしている姿が気色悪い。すぐにデスクに向かう姿がおぞましい。
 私は心を取り戻すことができるようになったはずだ。それなのに、このところ毎日、この嫌悪感が私を包み込む。物事がはっきりと見えるようになったばかりに、これまで見えていなかったもの、見たくなかったものまでが見えるようになってしまったのだろう。
 残ったのは、夫に対する煩わしさだ。
 彼をよく見てみると、それが理解できる。口煩くて、気持ち悪い存在。

 ――おはよう。
 朝には開口一番それだ。毎日毎日、よくも同じ顔で同じ言葉が言えたものだ。
 ――お茶、入れるよ。
 入れたいのなら入れればいい。どうしてわざわざその行動を説明するのか。
 ――じゃあ、行ってくる。一人で大丈夫?
 お願いだから早く行って。大丈夫なんて、一番返答に困る言葉。そんなこともわからないの?
 ――帰ったよ。調子はどう?
 帰ったことくらい見ればわかるよ。それにその質問。どう答えることを期待しているの?
 ――辛い時は、我慢しないで俺にぶつけなよ?
 あまりに滑稽。私の辛さの原因物質が何をぬけぬけと。浅くて薄っぺらい言葉は酷く汚い。
 ――おやすみ。
 うるさいうるさいうるさいうるさい! もう聞き飽きた! 起きたら、どうせまた「おはよう」って言うんでしょ?

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