{
2008/09/05(金) }
その日から、私は家事を頑張るようになった。
掃除、洗濯、ゴミ出し、食器洗い。でも、ひとつが終わるとひとつが気になる。どうしても終わらない。終わらない。終わらない。終わらない……
空なんてもう、あるのかないのかすらわからない。正直、どうでもよくなってきた。
今日も家事。次の日も家事。その次の日も。次も……次も……
でも、夫の顔がなぜか気持ち悪い。顔色はいいはずなのに、気持ち悪い。
気分が悪い。私は嘔吐した。背中を擦る彼の手が不気味に思えた。
家事が辛い。辛い。辛い。でも、夫が治るためには必要だと思った。
でも、帰宅した彼は、顔色はいいが、どこか崩れている。私は再び嘔吐する。
私を心配する彼がますます汚らわしい。――空? 何それ?
家事、家事、家事、家事、家事……
そもそも私は、あんなに気持ち悪くなった夫のために、どうしてこんなことをしているのか。
もしかしたら、最初から夫はあんな顔だったのかもしれない。
大体、忙しかった頃は、夫の顔どころか、存在自体見ていなかった気がするから。
夫が煩わしい。
私の体調を気にしている姿が気色悪い。すぐにデスクに向かう姿がおぞましい。
私は心を取り戻すことができるようになったはずだ。それなのに、このところ毎日、この嫌悪感が私を包み込む。物事がはっきりと見えるようになったばかりに、これまで見えていなかったもの、見たくなかったものまでが見えるようになってしまったのだろう。
残ったのは、夫に対する煩わしさだ。
彼をよく見てみると、それが理解できる。口煩くて、気持ち悪い存在。
――おはよう。
朝には開口一番それだ。毎日毎日、よくも同じ顔で同じ言葉が言えたものだ。
――お茶、入れるよ。
入れたいのなら入れればいい。どうしてわざわざその行動を説明するのか。
――じゃあ、行ってくる。一人で大丈夫?
お願いだから早く行って。大丈夫なんて、一番返答に困る言葉。そんなこともわからないの?
――帰ったよ。調子はどう?
帰ったことくらい見ればわかるよ。それにその質問。どう答えることを期待しているの?
――辛い時は、我慢しないで俺にぶつけなよ?
あまりに滑稽。私の辛さの原因物質が何をぬけぬけと。浅くて薄っぺらい言葉は酷く汚い。
――おやすみ。
うるさいうるさいうるさいうるさい! もう聞き飽きた! 起きたら、どうせまた「おはよう」って言うんでしょ?
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掃除、洗濯、ゴミ出し、食器洗い。でも、ひとつが終わるとひとつが気になる。どうしても終わらない。終わらない。終わらない。終わらない……
空なんてもう、あるのかないのかすらわからない。正直、どうでもよくなってきた。
今日も家事。次の日も家事。その次の日も。次も……次も……
でも、夫の顔がなぜか気持ち悪い。顔色はいいはずなのに、気持ち悪い。
気分が悪い。私は嘔吐した。背中を擦る彼の手が不気味に思えた。
家事が辛い。辛い。辛い。でも、夫が治るためには必要だと思った。
でも、帰宅した彼は、顔色はいいが、どこか崩れている。私は再び嘔吐する。
私を心配する彼がますます汚らわしい。――空? 何それ?
家事、家事、家事、家事、家事……
そもそも私は、あんなに気持ち悪くなった夫のために、どうしてこんなことをしているのか。
もしかしたら、最初から夫はあんな顔だったのかもしれない。
大体、忙しかった頃は、夫の顔どころか、存在自体見ていなかった気がするから。
夫が煩わしい。
私の体調を気にしている姿が気色悪い。すぐにデスクに向かう姿がおぞましい。
私は心を取り戻すことができるようになったはずだ。それなのに、このところ毎日、この嫌悪感が私を包み込む。物事がはっきりと見えるようになったばかりに、これまで見えていなかったもの、見たくなかったものまでが見えるようになってしまったのだろう。
残ったのは、夫に対する煩わしさだ。
彼をよく見てみると、それが理解できる。口煩くて、気持ち悪い存在。
――おはよう。
朝には開口一番それだ。毎日毎日、よくも同じ顔で同じ言葉が言えたものだ。
――お茶、入れるよ。
入れたいのなら入れればいい。どうしてわざわざその行動を説明するのか。
――じゃあ、行ってくる。一人で大丈夫?
お願いだから早く行って。大丈夫なんて、一番返答に困る言葉。そんなこともわからないの?
――帰ったよ。調子はどう?
帰ったことくらい見ればわかるよ。それにその質問。どう答えることを期待しているの?
――辛い時は、我慢しないで俺にぶつけなよ?
あまりに滑稽。私の辛さの原因物質が何をぬけぬけと。浅くて薄っぺらい言葉は酷く汚い。
――おやすみ。
うるさいうるさいうるさいうるさい! もう聞き飽きた! 起きたら、どうせまた「おはよう」って言うんでしょ?
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