[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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「あなたは負けたの。私にじゃない。お兄ちゃんにだよ」
 美里の、先ほどと同じ言葉が耳に響く。彼女は、いつの間にかオレの目前にまで迫ってきていた。
 混乱したオレの頭には、もはや考える力はなかった。しかし、先ほどの勝負の結果くらいはわかっていた。ぼろ屑のようになった辻を指差し、
「ふざけんじゃねぇよ! オレは勝った! 見ろよ、そいつの姿を。それが証拠だ!」
 と声を上げる。
「違うよ。あなたの負け」
 美里は毅然とした表情のまま、オレの言葉を突き放す。
「んだとコラ!」
「お兄ちゃんは、最後まであなたの暴力に屈しなかった。渚さんを守るための闘い。それが、お兄ちゃんの闘いの意味だから。例え、これからあなたがお兄ちゃんをどんなに痛めつけても、お兄ちゃんは渚さんを渡さない。あなたは、お兄ちゃんには勝てない」
「だったら……だったら、ぶっ殺してやるよ!」
「犯罪者になってから、渚さんに告白?」
「う、うるせぇ!」
 眉間に皺を寄せ、目一杯の眼光を美里に注ぐ。しかし次の瞬間、オレは彼女から目を逸らさずにはいられなかった。
 威嚇でもない。殺意でもない。
 情や人間味を全く感じさせない、酷く冷徹な瞳がそこにあったからだった。
「……それなら、ここからは私の闘い。頼まれても、もう倒れてあげない。今度は私がお兄ちゃんを守るために闘う。それが、私の闘いの意味。絶対に、あなたを倒す」
 落ち着いた声とともに、美里の肢体がなびく。蝶のように、ふわりと風に調和した。
 息を切らしたまま、オレもまた体勢を整える。
 と――、突然、オレの身体が勢いよく後ろに吹き飛ばされる。胸に激痛を感じ、オレは足をよろめかせながら咳き込む。たまらず膝をつく。
 ――は、速ぇ!!
 顔を押し上げ、美里の姿を確認する。彼女は左手を腰に固定したまま、右掌を前に突き出していた。
 認めたくなかった。オレの目に、今の彼女の動きが全く見えなかったことを。
「んのやろおおおぁ!!」
 声を張り上げて美里へと突進する。眼前にまっすぐ突き出した拳が、彼女の頬に当たった。と同時に、オレの内部を急激な嘔吐感が襲う。
「ぐ……あ、おえぇ……っはっ!」
 呼吸が止まり、喉から呻き声だけが漏れる。身体が自然と丸まる。目下には、オレの腹に深く喰い込んだ美里の膝が映っていた。オレの拳がするりと力なく彼女の頬の上を滑り、腕が下へと垂れる。美里の膝を支点にして、オレの身体が半分に折れる。
「こ……おごっ……おぉ……」
 意図しない奇妙な声が絞り出される。次の瞬間、背中を激痛が襲う。
 オレは絶叫とともに、その場にうつ伏せに倒れ込んだ。

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