[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 この感情をどう表現したものだろうか。
 握り締めた拳が熱を帯びてくる。
 目尻が険しく吊り上がり、瞳はその対象を捉えて放さない。全身は小刻みに震え、食いしばる勢いで歯が折れてしまうのではないかと思えたほどだ。
 放課後の教室。
 肩を寄せ合う二人を、ドアの窓越しにじっと睨みつけながら、オレは言いようのない負の感情を覚えていた。
「あいつ……」
 思わず言葉が口元から漏れる。
 ――渚さんという人がいながら……
 今にも爆発しそうな感情を何とか堪えながら、オレはそいつへの殺意を剥き出しにしていた。



 死に忘れた蝉が弱々しく鳴いている。
 麻美大嶋学園に入学してから、オレは筋力トレーニングにやぶさかでなかった。夏休み中はトレーニングジムに通うと同時に、自主トレーニングも毎日のように行ってきた。
 休み時間を告げるチャイムが校内に響く。
 オレは保健室へと歩を進めた。目的の人物がそこにいることがわかっていたからだ。いや、正確には目的の人物と繋がりをもつ人物と言うべきだろうか。
 歩きながら、半袖のカッターシャツから覗く自分の二の腕に目を向ける。黒々と艶やかに光る鍛え抜いた筋肉を見ていると、自然に頬が緩んだ。

 『もっと大人になりなよ』

 夜の公園でのあの出会いからおよそ半月。あの時の彼女の言葉が、今でもオレを捉えて放さなかった。
 ――いつまでもガキだと思うなよ。
 力を誇示するように、廊下の壁を勢いよく蹴る。
 その瞬間、廊下を賑わわせていた声がピタリと止んだ。
 オレは睨みを効かせながら周囲をぐるりと見回す。
 逃げるように教室に入っていく女。俯いてその場に立ち尽くす男。その光景を見ると、自分の強さが実感できるようで小気味がよかった。自分以外の人間全てが卑小な存在に見えた。
 ――オレは強くなった。チュウボウの頃のオレとは違うってところを、彼女に……
 口元がニヤけてきていることに気付き、慌てて表情を引き締める。ポケットに手を突っ込み、肩をいからせる。ペッと廊下に唾を吐く。
 オレは再び、廊下の中央を堂々と歩いていった。

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