[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 森の中で、梟がホウと鳴いた。
 木々に隠れ、古びた小屋がひっそりと建っていた。
 宵闇が色濃く地を覆う中、窓から漏れる光だけが森をおぼろげに照らしている。朱を帯びた、弱く、心許ない光だった。
 静寂に包まれた森には、小屋から聞こえてくる小さな水音だけがかすかに響いている。とは言え、人里離れた辺鄙なこの場所を、こんな時分に通る者はまずいない。したがって、当然、その光や音を耳目にしている者などいない。
 小屋の中で一人、女性は瞳を瞑り、天を仰いでいた。
 ほどよく突き出たバスト、引き締まったウェスト、艶かしいヒップ。生まれたままの姿を晒した彼女の肢体は、実に瑞々しかった。
 シャワーが彼女の全身に降り注いでいる。
 彼女は白くたおやかな指先を下に向けたまま、微動だにしない。
 悦びに浸っている様子でもない。かと言って、シャワーを嫌がっているようにも見えない。何かの修行や苦行じみたことをしている風でもない。
 ただ、凛としてそこにいるだけだった。
 彼女は表情を変えぬまま、静かにその場に立ち続けていた。
 どことなく憂いを感じさせる瞳を、絹糸のような睫毛が覆っていた。しかし、その瞳の奥には鋭い眼光が閃いており、ある種の力強さを感じさせる。
 明と暗が矛盾なく、見事に調和した妖しい瞳の持ち主だった。

 シャワーは驚くほど水圧が弱かった。尤も、それを「シャワー」と呼ぶのは彼女だけだ。
 彼女は降り注ぐシャワーにじっと身を任せている。
 液体はポタリ、ポタリと彼女の身体を打っていった。とにかく勢いがない。その上、時が経つにつれて、その勢いは弱くなっていくばかりだ。
 やがて、ポタリと音を立てて最後の一滴が落ちた。彼女はその時になって、初めて動きを見せる。
 側に置かれた鞭を手にし、ソレを何度も打ち据える。力いっぱい絞める、引っ掻く。殴る。蹴る。そうして、複数ある出口から、雫が断続的に絞り出され――
 最後に勢いよくナイフを突き立てた時、シャワーに再び勢いが戻った。飛沫のように、液体が彼女の身に降り注ぐ。
 彼女はさして満足そうな笑みを浮かべることも、かと言ってそれを不満に思っている様子を見せることもなかった。
 終始無言のまま、無表情のまま、彼女はただシャワーを浴び続ける。
 透き通るまでに白い彼女の肌が、注ぐ液体によって徐々に赤く染まっていく。
 俯いた彼女の足元には、いつしか赤い絨毯が広がっていた。小屋の壁には、いくつもの赤い花が咲いた。

 シャワーがゴボゴボという音を立てる。
 彼女は静かに微笑んだ。

 窓に赤い飛沫が付着していた。
 漏れてくる光が、少しだけその様相を変えている。
 森の中。もちろんその変化に気付く者はいない。



END

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コメント
この記事へのコメント
短い中に書かれた方の刹那と凛としたところを感じます。
もっと作者を極めたいです。
近づきたいです。
2011/10/15(土) 23:29 | URL | 昼の梟 #LkZag.iM[ 編集]
いらっしゃいませ。
昼の梟さん、初めまして。コメント、ありがとうございます。
物語の世界の中に私自身を感じてくださった――、ということでしょうか。
光栄です。この作者に近づくことはオススメしませんけれど(笑)
2011/10/16(日) 12:42 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
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