[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 少女は倒れた俺の横に立ち、無言のまま俺を見下ろす。夕日の光に遮られ、彼女の表情は読み取れなかった。
 ――ここにいてはいけない。逃げなくては……
 身体が鉛のように重い。指先に神経を通わせようとするが、なかなか意志が伝わらない。必死で指の関節を意識する。第一関節、第二関節、掌、手首……。何とか動く。しかし、身体を持ち上げるほどの力はまだ戻っていなかった。
 ――早く……この子から離れるんだ!
 自分を鼓舞するように、首を左右に振る。口の中に溜まった血液が地面に零れた。混濁した意識の中で、身体中の力を振り絞る。赤く染まった砂の上に掌を当て、痙攣する筋肉に鞭打って身体を起こす。
 とても立っているとは言えないほどふらついた足取りだった。それでも、強い者から逃げなければならないという動物としての本能が、俺を突き動かしていた。
 ふと違和感を覚える。
 ついと顔を少女の方へと向ける。彼女は俺の行動をただじっと見ていた。俺が死にもの狂いで立ち上がっていく様を、まるで見守ってでもいるかのように。
 俺が完全に立ち上がるのを見届けてから、ようやく彼女が動いた。
 少女はその白くて細い膝をゆっくりと持ち上げた。靴の裏が俺を捉え――
 腹部への激痛は想像を絶するものだった。俺は喉から金切り声を絞り出す。後ろに数メートルほど吹き飛ばされ、俺は再び、あっけなく砂浜に埋められた。舞った砂が口の中に入り、ジャリジャリと音を立てた。その砂は赤く染められ、俺の口から吐き出される。それでも舌の上には砂が残った。
 いつの間にか少女は側に来ていた。そして淡々と、その足を何度も俺の腹に打ち据えた。


 壊されていく。自分という形は崩されていき、いずれ意味のない破片となるに違いない。三分後か、……三秒後か。
 周りに落ちている、ぼろ屑になった同僚たち。俺は彼らと同一のものになるのだ。
 自分の意識がどこにあるのかわからない。打ち据えられる足を、俺は抵抗することもなく見上げている。
 動かなくなった俺の側に、少女がしゃがみ込んだ。
 小さな唇が動く。
「……楽しいね」
 鈴の鳴るような声だった。邪気の無いそれが可愛らしくて、俺は思わず返事をしそうになった。
 しかし俺の口からは、ゴポッと血だけが溢れた。意識が急激に薄れていった。
 俺はただぼんやりと天を見上げている。
 これが俺にとって、最期の景色になるのだろうか――

 空が綺麗だ。小波の響きが耳を優しく打つ。
 夕日は未だ海に沈まず、空を赤く染め上げている。漂う茜色の雲は、空の表情を変えていく。
 そこに佇む、綺麗な黒髪の少女。

 なんと美しい絵だろう。
 静かに微笑み、俺は目を閉じた。



END

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コメント
この記事へのコメント
どうもです~
どもどもです~。
ryonazさんのサイトですが、とんでもないボリュームですね~。

この話が一番お気に入りです。
訳も分からず、無邪気に少女からボコられるってのがかなりクリーンヒットです、自分的に。

自分はブログをやり始めてから、定期的に更新するってのが意外と大変だってことに気づいた訳ですが、これだけの文章を定期的に書き上げるというのは凄いことだと思います。ホントに。
これからも頑張って下さい、応援してますっ。
2008/09/26(金) 00:18 | URL | ネムレス #YrGnQh/o[ 編集]
いらっしゃいませ。ご来訪、ありがとうございます。
ネムレスさん、こんばんは。作品をお読みいただき、大変嬉しいです。
温かいご感想やお褒めの言葉が心に染み渡ります。クリーンヒットも頂き、光栄です。
おっしゃる通り、確かにとんでもないボリュームですよね。自覚症状アリです(笑)
ただ困ったことに、この手が止まりません。読者の方々がついて来てくださっているのか、時々心配になりますが。
ネムレスさんもサイトの更新、おつかれさまです。相変わらず表も裏も迫力満点で素敵ですね。
両サイトの掛け持ちは本当に大変だと思いますが、無理せず、お互いに楽しく運営していきましょう。
応援のお言葉、有難く受け取りました。私もまた、楽しみにお邪魔させていただきます。
2008/09/26(金) 03:26 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
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