[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 静止画を見ているようだった。
 少女の頬には、一滴、二滴と、血が付いている。立ち尽くす少女は少し俯き、目元はその黒髪で隠されていた。薄い唇には、口紅の類は一切塗られていなかったが、艶やかな自然の紅みを帯びている。
 彼女の足下に、塊が三つ、四つ。奇妙な形に歪んだその男たちは皆、俺の会社の同僚だった。今はまるで大きなゴミのように、砂浜に横たわっている。
 ある者は腹を抱えて蹲り、ある者は大の字で仰向けに倒れている。いずれも血溜まりの中に沈んでいた。
 時折ピクピクと痙攣する彼らの姿を見ていると、これが決して静止画などではなく、動画――いや、紛れもない現実なのだということを実感させられる。それを認めることが怖かった。
 少女が、一歩前へと踏み出す。俺は自然とその足に目を遣る。白い素足に、ピンクのラインの入ったスニーカーを履いている。そのスニーカーにも、赤黒くなった血痕が残っていた。
 背は小さい。黄色いキャミソールを身に着け、太腿まで露出するデニムショートパンツを穿いている。まだ膨らみを見せない胸や細い手脚は、未だ成熟していない。筋肉など全く付いていないように見える。それを考えると、先ほど自分の目の前で起こったことが、どうしても受け止めきれなくなるのだ。
 混乱する俺を余所に、少女はまっすぐに俺の方へと歩を進めてきた。悪びれる様子もなく、倒れている彼らの頭や背中、腹などを踏み付けながら進んでくる。その度に、彼女のスニーカーの血痕が一つ、また一つと増えていった。


 ひと気のなくなった海岸。大きく、赤く、姿を変えた太陽が水平線にその身を隠していく。普段であれば、心安らかに一日の終わりを感じ、感傷にでも浸っている時間だったはずだ。
 『遊んで』
 その時、少女から言われたその言葉が全ての始まりだった。
 突然の高い跳躍と同時に少女の脚がグルリと回転した時、大石が呻き声とともに地面に崩れ落ちた。うつ伏せになった彼の喉から赤黒い液が溢れ、じわじわと砂を染めていった。
 続けて彼女は自分の両側に向けて一発ずつ突きを繰り出した。次の瞬間には、花木と吉岡が身体をくの字に曲げていた。二人は息の漏れるような声を出し、やがて彼女の目の前を交差するようにして倒れ込んだ。気を失った彼らの口元からも液が垂れ流され、自らの顔回りを赤い池へと変えていった。
 有倉のことは思い出したくなかった。
 怯えた彼はその場から逃げ出そうと振り返ったところを、少女の足払いによって倒された。そのまま彼の首は彼女の脚に絡め取られ、太腿でじわじわと絞められていった。彼の顔は見る間に赤くなり、目は大きく見開かれた。もがけど、その抵抗は無意味に等しかった。
 泡を吹き、涎を垂らし、失禁し、ついには口の端から血を滴らせた。有倉が白目をむいて失神した時、彼女は彼の首をへし折った。彼女からは躊躇の欠片も感じられなかった。
 時間にすればものの数秒だったのだろう。とにかく速かった。しかし俺には、少女の動きや様子がはっきりと見えていた。食い入るように見つめてしまっていたのかもしれない。あまりにも予想外で、あまりにも異常なその光景が、俺から瞬きそのものを奪っていたのかもしれない。それらがまるで、スローモーションのかかった映像のようだと感じられたから。
 情けないことに、その間、俺は恐怖で足が竦んでしまい、全く身動きできなかった。

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コメント
この記事へのコメント
いつも拝見しております
初めまして
セミマゾヒストです
最近ブログをはじめました
リンクをさせて戴きました
よろしくお願い申しあげます。
2008/08/25(月) 06:04 | URL | こりん #h6seqEfY[ 編集]
いらっしゃいませ。
こりんさん、初めまして。いつもご来訪いただいているとのことで、大変嬉しく思います。
当サイトへのリンクもありがとうございます。早速、お邪魔させていただきました。
「セミマゾヒスト」という言葉が斬新ですよね。ソフト嗜好ということなのでしょうか?
文章もイラストもご自分で描かれていて素晴らしいですね。今後も楽しみです。
お互いに気持ちよくサイト運営ができるといいですね。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
2008/08/26(火) 01:57 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
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