[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 男は老人の死体をじっと観察していた。時々、喉の奥から唸り声を上げる。それはまるで、感心でもしているかのようだった。
 男が低い声でポツリと呟く。
「四肢の全てを破壊」
 その言葉に悪寒を感じ、私は身震いする。全身に冷水を浴びせかけられたような心持ちだった。
 男はさらに言葉を連ねた。
「おそらく一本一本……。骨の感触を味わいながら折っていったのではないかと」
「…………」
「興奮……いや、欲情と断言してもいいと思ってます。そうでなければ、ここまではできない。この睾丸の潰し方など、もう見事としか言いようがありません」
「…………」
「そしてあなたは、彼の頭まで潰した」
 男は再び、死体をじっと見つめる。
「躊躇の欠片も見られません。理由は、あなたの欲望を満たすため。それ以外に考えられますか?」
「…………」
 男が話し続けている間、私は口を挟むことができなかった。否定することができなかったからだ。
 しかし男の態度は終始、冷静そのものだった。
「ご安心ください。先ほども言いましたが、私は警察関係の類の者ではありません。この男は私の責任の下で、しっかりと処分いたしますので。あなたに罪が降りかかることはありません」
 そう言ってにっこりと笑った。しかし、私の中でその「罪」という言葉はあまりにも重かった。

 こんなことになるなんて思ってもみなかった。
 今日の朝までは普通の人と同じ生活をしてきたのだ。あの最初の呼び鈴が、私の全てを変えてしまった。
 再び罪悪感が頭を擡げてくる。私はそれまで噤んでいた口を開いた。
「おっしゃりたいことはわかりました。私にはそういう性癖があるということですね。事実を目にした今は、それも認めざるを得ないと思います。でも……」
 私はそこで一度言葉を区切る。
「……罪は罪です。そのご老人の人生を私が奪ってしまったことには変わりないんですから」
「では、自首されますか?」
「……はい。それがせめてもの――」
 私がそう言いかけたところで、男が口を挟む。
「この老人への償いのつもりなのでしたら、その必要は一切ありません。それが彼の意志ですから」
 男は不敵に笑った。そして、それから再び爽やかな笑顔を私に向けると、
「もしご入会いただけるようなら、電話を下さい」
 と言って、名刺を差し出した。
 男は再度、処理の人間に指示する。まるでゴミのように袋に詰められていく老人の亡骸を前に、私は手を合わせることしかできなかった。天寿より仕事を全うしたこの老人の強い意志が、ひしひしと伝わってくるようだった。勧誘こそが、彼にとっての命だったのだろう。
 男は私に一礼をすると、処理の人間たちを引き連れて早急に部屋を後にした。

Back | Novel index | Next
コメント
この記事へのコメント
以前コメントした者です。

これはいいですね。

何とも凄まじい話で、どうコメントしていいか分かりませんが、

人間の心の奥にはこれほどの狂気が存在している可能性があるのでしょうか?

少しまとめて作品を読ませていただきたいと思います。
2009/03/05(木) 01:19 | URL | おっちゃん #9SQX8TGg[ 編集]
ありがとうございます。
おっちゃんさん、おはようございます。当サイトへの再来訪とコメント、ありがとうございます。
お褒めの言葉を頂き、恐縮です。私もちゃんと覚えていますよ。作品は相変わらずブラックです(苦笑)
心の構造については勉強中ですので、正確なことは言えません。申し訳ありません。
ただ、可能性は十分あると思います。根拠は、私自身でしょうか(笑)
まとめて作品を読んでくださるということで、大変嬉しく思います。
物語を楽しんでいただければ幸いです。またぜひ、お気軽にコメントしてくださいませ。
2009/03/05(木) 06:36 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
>老人の亡骸を前に、私は手を合わせることしかできなかった

 この一文を読む前から思っていたことですが、きっと優しくて正直な女性なんだなと思いました。
 ソファーに座って這いつくばっている老人を笑いながら見たり、立ち上がって老人をじわじわと追い詰めたり、カウントダウンを始めたりする場面がとても素敵で何度と読み返してしまいました。

 もっと長くこの女性と触れ合っていたい作品でした。不満を申し上げるなら、もっと長文でも良かったかもです。
 本当に、良い作品です!
2011/07/27(水) 22:15 | URL | MA #lISGuULQ[ 編集]
嬉しいです。
MAさん、こんにちは。作品を楽しんでいただけて光栄です。
徐々に変化していく彼女の心情や様子を表現できていればいいな、と思っています。
身に余るお褒めの言葉が、心に沁みました。ありがとうございます。
彼女に寄り添ってご覧になり、何度も読み返し、もっと彼女と共有する時間をもちたいと願う。
――そんな風に物語に触れていただけたことを、とても幸せに思います。
これからも、よろしくお願いいたします。またのご来訪、心よりお待ちしています。
2011/07/28(木) 14:05 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。