[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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「それで、何の勧誘にいらっしゃったんですか?」
 ソファで休ませていた老人が、ある程度回復したのを見計らい、私は声をかけた。
「えぇ。どうもお手数をおかけいたしまして」
 老人はそう言いながら横になっていた身体を起こす。そして、
「とりあえず、このパンフレットをご覧いただけますでしょうか?」
 と、二冊のパンフレットを私に手渡す。そこには『グッドライフ』という社名が印字されていた。大雑把にざっと目を通す。どうやら習い事に関する入会の勧めのようだ。書道、ペン字、速読などの室内向けのものから、ボート、キャンプ、フィッシングなどの屋外向けのものまで、あらゆるジャンルの講座が掲載されている。
 老人は何気なくすっと身を乗り出す。そして得意げに話し始めた。
「自ら学び、自身を高めていくことの価値が見直されている現代。生涯学習の大切さが叫ばれています。しかし、現実にはなかなか自分の学びたいことが見つからない。やりたいことがあっても時間が取れない。そんな悩みをもっている方が非常に多いのです。私共、グッドライフは、そんな皆様方を全面的にサポートし、有意義でやり甲斐のあるライフワークを提供したいという理念の下に設立された、習い事スクールです。私はそこからの勧誘員でして――」
 活き活きと話す老人。しかし私の心は、どうもそのテンションについていけなかった。そもそもパンフレットで紹介されている講座自体に魅力を感じない。どれも、探せばどこかで見つかりそうな講座ばかりだ。家の中にまで招いておいて何だが、無理に加入する必要はない。すぐに断って帰ってもらおうと口を開きかける。しかしそれは老人の言葉によって遮られた。
「ほら、これなんかいかがでしょう? インターネット技術向上。現代は一家に最低一台パソコンといった時代です。扱えるに越したことはないと思いますが」
 そう言った老人の顔は、実に輝いていた。何となく断り辛くなり、
「えぇ、確かにそれはあるかもしれませんね」
 と、曖昧な返事をする。しかし、契約をするつもりがないのに気をもたせるのも気の毒だ。
 私は加えて、
「でも、パソコンで不自由を感じたことはありませんから。これは結構です」
 と丁重に断る。老人は「そうですか」と力なく項垂れた後、再び言葉を続ける。
「では、これはどうでしょう? 英会話講座です。国際化の時代ですからね。これからますます海外の方との交流の機会も多くなってくることでしょう。コミュニケーションのひとつも――」
「いえ。英文科卒なので。一応、人並み以上には話せますから」
 この時も老人は「ふうっ」とため息をついて俯く。そして今度は二冊目のパンフレットを開き、私に詰め寄る。
「もしかしたら奥様は健康志向でいらっしゃるのかもしれませんね。では、こちらのフィットネス講座などはいかがでしょう?」
 その老人の『奥様』という言葉が少し癇に障った。私はまだ未婚の二十代だ。老人は続ける。
「奥様は稀に見るお美しい方です。素敵なプロポーションでもいらっしゃる。でも、年齢とともに体型は崩れていくものです。この機会にぜひここでひとつ」
 熱心に元気良く話す目の前の老人に多少の不快感を覚える。どうして奥様だと決めつけるのか。それに、仮にも女性の体型についてとやかく言うなんて、無神経だ。
 私の内面にイライラとした感情が募ってくる。それと同時に、ひんやりと冷めたものが血を巡るような気がした。再び老人を見た時、上品に感じていた彼の顔が少し卑しく見えた。
「つまらないですね。全く興味ないです」
 冷たい言葉が口をついて出たことに驚いた。普段は決してこんなこと口にしないのに……

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