[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 拳は深くめり込んでいた。
「うぅ……ぐふぅ……」
 彩香と向かい合っていた男子生徒は、力なく彼女の脇をすり抜けて倒れ込んだ。身体をくの字に曲げ、黄色味がかった液体と吐瀉物を口から零している。ピクピクとその身を痙攣させるその男子を見下ろす彩香の表情は、これ以上ないほどの輝きを湛えていた。
 甲高い歓声が教室中を包み込む。
 彩香と男子を取り巻いていた女子生徒たちのうちの一人が「八分五秒!」と声高に叫ぶ。彩香はその言葉を聞くと同時に、口を大きく開いて歓喜の声を上げた。
 瀕死遊びの形式を変えてから、今回が彼女の最高記録だった。感情表現が豊かな彼女が跳びはねて喜んだのも無理はない。
 いつものように、倒れた男子を他の女子たちが取り囲み始めた頃、ふと彩香に耳打ちする女子がいた。
「……ちょっと、いい?」
 彩香が視線を声の方へと移す。その声の主は紗希であった。愉悦に浸っていた彩香にとっては、急に呼びかけられたことが鬱陶しく思えたのかもしれない。彼女はあからさまに表情を顰めると、半ば投げやりな態度でそれに応えた。
「何よもう。せっかくいいところなのに――」
「時間がないの。急いでくれる?」
 彩香の言葉を遮るように、紗希は彼女の声に言葉を重ねる。紗希の瞳には冗談の一つも許さないほどの切迫した緊張感が漲っていた。彩香の表情が一気に引き締まる。
「分かった。」
 とだけ彩香が答えると、紗希は彼女の手を引いて教室の外へと足を急がせた。


 彼女たちは、この瀕死遊びというゲームに熱中していた。しかしゲームとは名ばかりで、実態は女子たちによる男子いじめそのものであった。
 この事態に教師は厳しく指導をしてきたが、根底からの解決にはまだ至っていない。
 私立麻美大嶋学園にはクラス替えがない。そのため、その危険な遊びもまたその形を変え、新学期を迎えた現在でもクラスの男子たちを苦しめ続けていた。


 二人が向かった先は校舎裏だった。
 滅多に使われることのない空き教室の並ぶ校舎の裏手だ。普段なら人の気配すら感じることのない場所である。しかし今日は事情が違った。低い怒声のようなものが幾重にも重なり、校舎裏を賑わわせていた。
 彩香が怪訝な表情を見せる。
「一体、何なの?」
 問いかける彩香の質問に答えることなく、紗希は校舎の陰からそっとその声のする方へと視線を向けていた。彩香は「もう」と呆れた声を上げる。彼女はその膨れっ面を隠そうともせず、紗希に重なるようにして同じ方向をそっと見つめた。

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