[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 苦しさから目に涙が溜まってくる。
 ひとしきり吐き終えた時、ふと後ろに気配を感じた。ふり返ると、そこには真紀が燃えるような瞳で僕を見つめていた。僕は身体を無意識に縮こめる。
「殺してほしい?」
 真紀が恐ろしい言葉を吐く。僕は大きく身震いをすると、首を何度も横に振った。しかし彼女は「ふーん」と気のない返事をする。そして後ろから僕の髪をぐいと掴むと、今度はトイレの壁に僕の顔面を叩きつけ始めた。
「があっ!」
 たまらず倒れ込みそうになる。真紀はそんな僕の腹に膝を突き立て、身体を支える。
「ぐぅえっ!」
 再び髪を掴まれ、瞳を覗き込まれる。真紀の口元は緩み、「ふふ」と声を漏らす。彼女が右手を振り上げるのが見えた。パンという音とともに、僕の顔が横に振られる。打たれた左の頬はすぐに熱を帯びてきた。さらに右側からも打たれる。それから何度も、彼女のビンタは右から左から容赦なく飛んできた。僕はただひたすら「ごめんなさい。ごめんなさい」と情けない声を上げ続けた。
 しばらくすると、真紀はふと僕の髪から手を放す。僕は彼女から与えられた苦痛で身体中がだるく感じられてきていた。
 真紀はしばらくぼうっと天井を見つめ、それからふと僕を見る。先ほど部屋で見たのと同じような、うつろな瞳だった。彼女がポツリと口を開く。
「ちょっと、何してるの?」
 予想外の言葉に僕は呆気に取られる。
「もう、嫌らしいんだから。女の子のトイレ覗くなんて最低。」
 ――?……いや、あの……え?
「早く出ていってよ、もう。」
 あまりにも理不尽な言葉だと思った。しかしながら、この時の真紀は確かに僕の知っている真紀だった。さっきとは打って変わった明るい声だ。僕は彼女の手から解放されたことに安堵し、ふうっとため息を漏らす。「ごめん」とだけ言い残し、すぐさまトイレから出る。やがて中から、彼女の機嫌のよい鼻歌が聞こえてきた。
 ――何だったんだろう?……一体、彼女って?
 疑問は尽きなかった。しかしながら、真紀がいつもの様子に戻ったことで僕は安心感に包まれていた。しかしながら、彼女から受けた攻撃は未だ僕を苛み続けていた。彼女がトイレから出てくる頃には、僕は身体の限界から布団の上に倒れ込んでいた。真紀はそんな僕の姿を見て心配そうな声を上げる。
「どうしたの? 大丈夫?」
 僕にはもうツッコむ気力すら残っていなかった。身体中が痛む。
「大丈夫だよ。ただ、ちょっと休んでいい?」
「あ、うん。もちろんそれはいいけど。本当に大丈夫?」
 言いながら真紀は僕にそっと布団をかける。側に横になり、僕の頭を撫でる。心配そうな顔をしながら、彼女はしきりに僕の傷痕を擦る。彼女にその優しさが戻ってくれただけで十分だった。しかし身体の痛みは消えない。僕は正直に答える。
「……うん。ただ、何だか身体が重くなってきちゃって……」

「そっか……。もしかしたら五月病なのかもね。」
 
 ……僕は彼女がますます分からなくなった。



END

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コメント
この記事へのコメント

このシリーズはなんか、楽しかったです(笑) 笑いが込み上げてきましたよ! 楽しかったー!かわいらしい感じに思えましたo(^-^)o
2008/05/10(土) 00:08 | URL | あゆみ #-[ 編集]
こんばんは。
毎作へのご感想が大変励みになります。ありがとうございます。
今回の作品については、特筆すべきことは何一つありません。
単純にこのナンセンスな感じを味わい、楽しんでいただければ本望です。
それにしても、あゆみさんは本当に、ここぞという時にバリッとコメントを決めてくださいますね。
やはり、そういったお声はすごく力になりますので。いつも大変助けられています。
あゆみさんもどうぞ、五月病にはお気をつけください。……と言っても対処法があるのか(笑)
2008/05/10(土) 01:54 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
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