[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 雲ひとつない空はどこまでも続いていた。
 キッチンから戻ってきた彼女は、手にした二人分のパスタをテーブルに並べる。
 その腕は陽光が差すと透けてしまいそうなほど白い。すらりと伸びたしなやかな指だ。その付け根の一つにはプレゼントした指輪が輝き、僕の顔は自然と綻ぶ。しなやかな指先からふとその顔に目を移せば、切れ長の瞳がまず目に入る。それは常に光を灯しているかのように煌いて見える。
「どうかしたの?」
 と、僕の視線に気付いた彼女が問いかける。僕は「いや」とだけ答え、その厚めの唇が湛える紅に魅入る。端正で優美な彼女の顔を彩る化粧は決して厚くない。艶やかな長い黒髪は首の後ろで束ねられている。軽くネイルの塗られた生足が艶かしさを醸し出す反面、彼女が身に着けたTシャツとスパッツからはラフで健康的なイメージが漂っていた。
 いつも甲斐甲斐しく家事をする。そんな彼女が僕の一番の自慢だった。
「ありがとう、真紀。」
 いつも通りの台詞だ。しかしその気持ちに偽りはない。心を込めて僕は彼女にそう声をかけた。
「あ、……うん。」
 その声音に違和感を覚え、何気なく真紀の方へ顔を向ける。
 浮かない顔をしている。
「――どうかした?」
「ん……ううん、……」
 何となく反応が鈍い。調子でも悪いのだろうか。
 その時、目の前に置かれたカルボナーラの匂いが僕の鼻腔を包み込んだ。とても良い香りだ。
 真紀は俯いたままで僕の向かいに座る。
 何となくすっきりしない気分ではあった。しかしあまり気にされると却って鬱陶しいこともあるだろう。そう考え、僕はいつもより少し元気な声で「いただきます」と声を上げてパスタを頬張る。
 その時、ふいに真紀がポツリと呟く。
「……もう、終わりかもね――」
 唐突な言葉に少し驚く。ちらと真紀を見る。彼女はフォークを片手に片肘をテーブルにつき、ふうっと大きなため息をついていた。
 さすがに心配になって真紀に再び声をかける。
「大丈夫? 具合でも悪い?」
 返答はなかった。相変わらず真紀は一口もパスタに口をつけない。僕はフォークを置いてつと立ち上がり、彼女の横に座る。じっと顔を覗き込むが、彼女の瞳はどこかうつろだった。
 熱が心配でそっと真紀の額に手を当ててみる。熱があるような感じはしない。
 彼女が再び口を開く。
「熱なんてないよ。ただ何となくね……嫌なの。」
 消え入りそうな声だった。その言葉に僕は胸騒ぎを覚える。
 ――倦怠期? マンネリ?
 不安が募ってくる。つい心のままに言葉が滑り出る。
「嫌……ってのは、僕に?」
 努めて平静を装ったが、声が上擦ってしまう。僕の言葉を聞いても変わらない真紀の様子に、僕の不安はますます膨れ上がっていくばかりだった。

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コメント
この記事へのコメント
 もう5月ですね。陰暦で5月の事を「皐月」と言うのですよね。同じ時期なので、こちらの小説を読ませていただきたいと思いました。宜しくお願いします。
2011/05/13(金) 12:50 | URL | ひらき #k62HVzjU[ 編集]
ありがとうございます。
四季の雰囲気を感じながら執筆するのが好きです。
共感していただけたような気がして、勝手に喜んでいます(笑)
拙文ではありますが、ぜひご覧ください。
2011/05/13(金) 18:08 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
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