{
2008/03/05(水) }
穏やかで落ち着いた声の主は恵美だった。
「そんな格好で、どちらへ?」
……うかつだった。その言葉は俺の固まった意志を、容赦なく斬りつけた。
「う……うぅ。」
思わず足が止まる。
あらためて自分の全身を見回した。目に映ったのはみすぼらしく頼りない、生まれたままの俺の姿。トランクス一枚すらつけていない。仮に外に出られたとしても、これでは変質者そのものだ。
三人は俺の様子を見てくすくすと笑っていた。きっとこれも、俺の服を脱がせた理由の一つだったのだろう。
そこへ里佳子が口を挟む。
「どの道、ここからは出られませんからね。」
彼女はそう言いながら、制服の胸ポケットにちらりと視線を送る。
「そうですね。少なくとも……私たちに去勢されるまでは。」
茜が楽しそうにそう言葉をつなぐ。
俺は絶望感からがっくりと肩を落とした。
考えてみれば、カードキーでロックされているような扉が、俺の体当たりごときでぶち破れるはずなどないのだ。動揺と恐怖感で頭に血が上っていたためか、俺はそんな単純なことにすら気付いていなかった。
為す術が見当たらなかった。
――このまま俺は、彼女たちによって睾丸を潰されてしまうんだ。そして、今後は勃起することもなく……当然セックスもできず、一生……
焦燥感が全身を覆い尽くす。
力なく項垂れた俺は、ショックで今にも気を失ってしまいそうだった。そして度々頭を掠めるのは、睾丸を嬲り潰されることへの恐怖。これから起こるはずの経過も結果も、俺にとって人生最大の苦難であることは間違いなかった。
「さぁ。今度はどうしてあげましょうか。」
恵美が冷静な口調で茜と里佳子に問いかける。二人はしばし考え込んでいるようだった。
里佳子が先に口を開く。
「正直言って、私はそろそろ飽きてきましたわ。一思いに壊してしまってはと。」
俺の身体がビクッと反応する。壊すという言葉がこんなに怖いものだとは思ってもみなかった。
対して茜は、まだ気分が高揚したままのようだった。
「私はもっと遊びたいですね。あの方の苦痛の表情を見ていると、何だかとても楽しくて。」
どちらにしても俺にとっては最悪な回答だった。
気力を無くした俺は、三人が話し合う様子をぼうっと眺めていることしかできなかった。全裸で。しかもモノを大きく膨れ上がらせて。そんな自分が本当に情けなく思えた。しかしその時、ふと一つの考えが俺の頭に浮かんできた。
――あるじゃないか、方法が。大体これは報復という名のリンチだ。黙ってされるがままになっていることなんてないんだ。俺には……まだできることがある。
俺は再び気力を振り絞り、里佳子に目を向けた。
Back | Novel index | Next
「そんな格好で、どちらへ?」
……うかつだった。その言葉は俺の固まった意志を、容赦なく斬りつけた。
「う……うぅ。」
思わず足が止まる。
あらためて自分の全身を見回した。目に映ったのはみすぼらしく頼りない、生まれたままの俺の姿。トランクス一枚すらつけていない。仮に外に出られたとしても、これでは変質者そのものだ。
三人は俺の様子を見てくすくすと笑っていた。きっとこれも、俺の服を脱がせた理由の一つだったのだろう。
そこへ里佳子が口を挟む。
「どの道、ここからは出られませんからね。」
彼女はそう言いながら、制服の胸ポケットにちらりと視線を送る。
「そうですね。少なくとも……私たちに去勢されるまでは。」
茜が楽しそうにそう言葉をつなぐ。
俺は絶望感からがっくりと肩を落とした。
考えてみれば、カードキーでロックされているような扉が、俺の体当たりごときでぶち破れるはずなどないのだ。動揺と恐怖感で頭に血が上っていたためか、俺はそんな単純なことにすら気付いていなかった。
為す術が見当たらなかった。
――このまま俺は、彼女たちによって睾丸を潰されてしまうんだ。そして、今後は勃起することもなく……当然セックスもできず、一生……
焦燥感が全身を覆い尽くす。
力なく項垂れた俺は、ショックで今にも気を失ってしまいそうだった。そして度々頭を掠めるのは、睾丸を嬲り潰されることへの恐怖。これから起こるはずの経過も結果も、俺にとって人生最大の苦難であることは間違いなかった。
「さぁ。今度はどうしてあげましょうか。」
恵美が冷静な口調で茜と里佳子に問いかける。二人はしばし考え込んでいるようだった。
里佳子が先に口を開く。
「正直言って、私はそろそろ飽きてきましたわ。一思いに壊してしまってはと。」
俺の身体がビクッと反応する。壊すという言葉がこんなに怖いものだとは思ってもみなかった。
対して茜は、まだ気分が高揚したままのようだった。
「私はもっと遊びたいですね。あの方の苦痛の表情を見ていると、何だかとても楽しくて。」
どちらにしても俺にとっては最悪な回答だった。
気力を無くした俺は、三人が話し合う様子をぼうっと眺めていることしかできなかった。全裸で。しかもモノを大きく膨れ上がらせて。そんな自分が本当に情けなく思えた。しかしその時、ふと一つの考えが俺の頭に浮かんできた。
――あるじゃないか、方法が。大体これは報復という名のリンチだ。黙ってされるがままになっていることなんてないんだ。俺には……まだできることがある。
俺は再び気力を振り絞り、里佳子に目を向けた。
Back | Novel index | Next
この記事へのコメント
いよいよ反撃(という名の悪あがき)の開始ですね!
この手の趣旨の小説の中で、個人的には一番好きなシーンです。
この手の趣旨の小説の中で、個人的には一番好きなシーンです。
2008/03/05(水) 01:59 | URL | テンテン #mQop/nM.[ 編集]
なるほど。こういったシーンがテンテンさんのツボなんですね。
実は私もだったり(笑) 共感いただけて大変嬉しいですね。
彼のこの行動が、今後どんな展開を生み出していくのか。
続きもお楽しみいただければ幸いです。
いつもコメントを頂き、本当にありがとうございます。
作品をお読みいただき、且つ感想をもっていただけることが作者の何よりの喜びですので。
実は私もだったり(笑) 共感いただけて大変嬉しいですね。
彼のこの行動が、今後どんな展開を生み出していくのか。
続きもお楽しみいただければ幸いです。
いつもコメントを頂き、本当にありがとうございます。
作品をお読みいただき、且つ感想をもっていただけることが作者の何よりの喜びですので。
2008/03/05(水) 05:41 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]

