[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  〜美しき女性たちの狂気〜
 優美子がにっこりと笑う。
「わりとよく書けてるじゃない。」
 その手には、原稿の束を持っていた。彼女の指は、相変わらず白くて美しい。
 彼女の傍らにいる男は苦笑し、
「気楽に言ってくれるな。これで食ってく苦しみは小説家にしか分からないよ。」
 と軽いため息をついた。
「ふふ、ごめんごめん。あの時のこと、本当にリアルに再現されてるからさ。」
「……あれからもう五年も経つのか……」
 優美子は頷き、側にいる男――信二――の肩にそっと頭を寄せた。
 春の陽射しが降り注ぐ庭を見つめるその目は、どこか哀しみの色を湛えていた。
「うん……。姉の七回忌ももうすぐだよ。」
「京香の……」
 二人はしばし、無言で肩を寄せ合った。
「私もやっと姉の墓前に胸を張って行ける。産む喜びを知らずに亡くなった姉へのね……」
「ちゃんと報告しなきゃな。医者としてじゃなくて、妹としてな。」
 そうして信二は、「『俺の子』を産んでくれてありがとう」と彼女に囁いた。
 見つめあう二人。そこには永遠を誓った愛の形があった。

「それにしても、私が人の命を救う立場になるなんて……笑っちゃうね。」
 そう言って、彼女は足元にいるソレを踏みつけた。
「『正義』……だっけ?」
 彼女は目を細め、紅い唇を弓なりに曲げた。
 優美子が踏みつけている物……それは人間だった。
 全裸で靴下だけを履き、首輪をベッドに括りつけられている。
 信二は、その存在に今気付いたかのような顔をし、そして嗤った。
「ああ、そうそう。よく覚えてたな、優美子。こいつが好きだった言葉。」
 信二が見下ろしているものは、そう……俺だった。
 四つん這いの姿勢のまま、優美子の美しい足を背中で受け止める。
「だってそいつ、一番面白いんだもの。」
「よかったな、竜崎。」
 俺は信二を見上げ、素直に頷いた。
「はい。ありがとうございます。」
「正義はどうした? 本当に情けないな、お前。」
「はい、その通りです。ご主人様。」
 俺の返事などは全く気にせず、二人は外出の準備を始めた。
「これから俺たち、ちょっと出かけてくるから。」
「今日も半殺しにして可愛がってあげるから、帰るまでいい子で待っててね。」
 そう言うと優美子はサッカーボールを蹴るように、無防備な俺の腹を蹴り上げた。
 俺はたまらず崩れ落ちてしまった。そしてすぐにまた、四つん這いの姿勢に戻る。

 太田、影山、田添、山崎……
 かつて番長と呼ばれた男たちもまた、俺と同じ姿でそこにいた。
 廊下の端には、藤村の姿もあった。そこに小倉の姿はない。
 忘れもしないあの日……優美子自らの裁きを受けて……全く羨ましい奴だ……
 そして俺は「他の飼い犬」の恨めしそうな目線を感じながら、誇らしげに優美子の言葉に答えるのだった。

「はい。ありがとうございます。お待ちしております。」



END

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コメント
この記事へのコメント
竜崎の堕ち具合がいいですね。
2007/06/21(木) 19:46 | URL | SR #bMUbTW1E[ 編集]
初めまして。
SRさん、コメントありがとうございます。
見事に堕ちていく無様な竜崎をご堪能いただけたなら幸いです。
プライドをぶち壊す女は、私の萌えポイントの一つですね。
2007/06/22(金) 00:23 | URL | ryonaz #6x2ZnSGE[ 編集]
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