[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 彼女が豹変したのは、他の人間がいなくなってからだった。

 銀行内の人間のほとんどを解放すると、外はより騒がしくなった。
 出るときに銀行員にシャッターを閉めさせていたので、中から外の様子は見えない。
 救急車が到着する音もする。行内のテレビをつけると、外から生中継されている特番が映し出された。アナウンサーがけたたましくしゃべり続けている様子が、妙に滑稽だった。
 安っぽいスピーカーからは、相変わらず投降を呼びかける声が騒々しく響いている。
 竹内は田中に声をかけた。
「俺はここで対策を練る。人質の監視はお前が担当しろ。任せていいな?」
 そう言って、竹内はテレビや外から聞こえる声や音に集中する。
「俺を誰だと思ってんだ。安心して任せな。」
 しかし田中はその言葉とは裏腹に落ち着かない様子で、床にへたり込む結衣をじっと見つめていた。
 竹内は田中の悪い癖が出ることを懸念した。
「おい。」
 短く、それでいて厳しい口調で竹内は田中を戒める。しかし、田中はその言葉を意に介さず、ゆっくりと結衣に迫っていった。
「お嬢ちゃん。これからどうなると思う?」
「おい!」
 テレビの中継や周りの状況に気を配りながら、竹内はさらに田中に強く言葉をかける。
「いいじゃねえかよ、ちょっとくらい。大体お前は真面目すぎるんだ。」
「な……何を?」
 不安そうな結衣の声が、密室に響く。
 田中はハンドガンを小脇に抱え、結衣に覆い被さるような体勢をとっていた。
「死にたくないだろ? それならサービスしてもらわなきゃな。」
 言葉の意味を解したのか、結衣はやがて肩をふるわせ始めた。
「いい加減にしろ!」
 冷静だった竹内が言葉を荒げる。これまでいくつもの犯罪を重ねてきた経験から、竹内は少しの気の緩みが致命的なミスを招くことがあることを心得ていた。それだけに、彼は田中の無神経な態度に苛立ちを覚えていたのだ。
「いちいちうるせーな。」
 田中が竹内の方を振り返る。その一瞬の隙をついて結衣は田中から離れ、行内の隅へと走った。それに気付いた田中はすぐさまハンドガンを結衣の方へと向けた。
「……まだ自分の立場が分かってねえようだな。」
 田中の目は鋭かった。冷静さを取り戻したかのようにゆっくりと引き金に手を当てると、結衣の足元の床に発砲した。床に一つの穴が開く。
 ――やっと本気出しやがったか。遊びすぎなんだよ。
 竹内は田中を決して信頼してはいなかったが、その銃の扱いに関してだけは信用していた。世話のやける男だが、今の田中であれば大丈夫だろう。そう感じていた。

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